結婚式場の革命児が描く「新しいホテル」の姿 テイク&ギブニーズ、「トランクホテル」の全容
「20年前にハウスウェディングで業界を活性化させたように、ホテル業界を活性化させていきたい」――。テイク&ギヴニーズ(以下、T&G)の創業者・野尻佳孝会長は大きな目標を掲げる。
ハウスウェディングの先駆者で、ブライダル業界大手のT&Gは5月13日、同社にとって初めての新規ホテルとなる「トランクホテル」を東京都渋谷区に開業した。
トランクホテルは地上4階、地下1階の建物で、レストラン2軒、バーに加え、チャペル、4つのバンケット(式場)を備える。約20平方メートルのシングルルーム10室、6~14人が泊まれるスイートルームなど15室を備え、グループ客の利用も想定する。
「トランク」という名前は英語でさまざまな意味を持つが、ここでは象の鼻を意味しているようだ。象が生存競争に勝ち残るために長い鼻という進化を遂げたようにイノベーターでありたいという野尻会長の思いが込められている。
周辺ホテルは強烈な警戒感
運営がT&Gであることから、ホテル業界ではまず、同社がどんな式場を運営するのかに注目が集まっていた。「実物がないので、画像やイメージ図でブライダルフェアを実施している。それでも有力候補に入れる顧客が後を絶たない。一体どんな式場なのか」(結婚式場として著名な某シティホテルのブライダル担当者)。
今回、T&Gは4つの式場として、日本の意匠を凝らした「ONDEN」と「KEYAKI」、木目調の「MORI」、空中庭園をイメージした「SORANIWA」を設けた。開業前の段階で2017年内の土日祝日はほとんど予約で埋まった。現在、「2018年3月頃なら”まだ”空きがある」(会社側)という盛況ぶりだ。
ホテルとしても特徴がある。第一に所有と運営を分離していることだ。会社側は「社内的に非公表」ということで回答を避けたが、登記簿によれば丸紅プライベートリート投資法人が土地を所有、T&Gは定期賃貸借契約を結ぶ。
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