高級フレンチ「ひらまつ」、ホテル参入の理由 1泊13万円!開業第一号はあの伊勢志摩から

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ホテルの第一号は三重県志摩市に。伊勢エビのグリエ(上写真)など、地元の食材を生かしたフルコースの料理が売りだ。要望によっては和食も用意するという

高級フランス料理店「ひらまつ」、同イタリア料理の「リストランテASO」などを展開する、ひらまつがホテル参入の気炎をあげている。7月15日に「ひらまつホテル&リゾート 賢島」(三重県志摩市)にホテルをオープンし、新規参入した。

続く10月27日には熱海(静岡県)、12月末には箱根仙石原(神奈川県)で開業を予定する。2018年夏には沖縄県宜野湾市でのホテル開業を決めており、一気に4軒をオープンする計画だ。

想定顧客は資産1億円以上の富裕層

客室は50、55、73平方メートルの3タイプからなる。別料金になるが、スパの利用も可能だ

特徴はいずれも10室前後の小型ホテルということ。今回開業した賢島の場合、客室数はわずか8室に過ぎない。だが、主力事業の高級レストランで培った料理には徹底的にこだわっている。地元の食材で著名な伊勢エビやアワビをはじめ、高級食材をふんだんに使ったフランス料理のフルコースが売りだ。

宿泊料金は1泊2名(朝夕食付き)で、13万~16万円と、決して安くはない。ひらまつホテル&リゾート賢島の運営責任者でシェフでもある、長谷川孝太郎取締役によれば、「ターゲットとなるのは富裕層」という。日本人や訪日外国人観光客など、資産が1億円以上の資産家を想定顧客としている。

周辺では、一足先の2016年3月、アマンリゾート「アマネム」が開業。サミットの会場になった「志摩観光ホテル」も、営業を強化している。伊勢志摩エリアでは、1泊10万円を超える高級ホテルが覇を競い合っている状態である。ひらまつの陣内孝也社長はホテル参入の狙いを、「今まで培ったノウハウを生かし、”滞在するレストラン”を作りたかった」と語る。

ひらまつはユニークな会社だ。1982年、創業者で今年6月に代表権を返上した平松博利会長が西麻布に開いた、「ひらまつ亭」が発祥となっている。その後、東京都内を皮切りに、高級フランス料理店を展開。2003年にジャスダックに上場した。

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