新型「フィット」vs.「アクア」を徹底比較 ホンダがHVシステム刷新で、燃費“世界一”を奪取

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ホンダの伊東孝紳社長

走りはどうか。こればかりは乗ってみないと正確なことは分からないが、スペックから少しは推し量ることもできる。そもそもHVの特徴は、エンジンとモーターが得意とするところを、それぞれ補完し合うことで、燃費や走行性能を高める仕組みにある。エンジンは低速回転での燃費が悪いが、回転数を一定に保てば効率はいい。一方、モーターは発進や加速に必要なトルクを、ゼロの状態からいきなり出せるので、出足に効く。

新型フィットHVは高速性能に利点か

この点で見ると、エンジンの最高出力はフィットのほうが大きく、アクアのほうがモーターのパワーが高いことから、高速性能はフィットのほうが優れ、出足はアクアのほうが力を感じる特性ではないかと、想定される。このあたりは、実際に乗ってみたユーザーの好み次第の部分といえるだろう。

燃費性能で世界トップに躍り出た新型フィットHV。とはいえ、HV王者のトヨタが黙って見過ごすはずはない。当然、次期プリウスやアクアでは当然のように新型フィットの燃費性能を上回るだろう。「今日から次のクルマ作りを始める」と語る伊東社長。日本勢を中心としたHV競争は今後も過熱していく。

(撮影:梅谷 秀司)

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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武政 秀明
たけまさ ひであき / Hideaki Takemasa

1998年関西大学総合情報学部卒。国産大手自動車系ディーラーのセールスマン、新聞記者を経て、2005年東洋経済新報社に入社。2010年4月から東洋経済オンライン編集部。東洋経済オンライン副編集長を経て、2018年12月から東洋経済オンライン編集長。2020年5月、過去最高となる月間3億0457万PVを記録。2020年10月から2023年3月まで東洋経済オンライン編集部長。趣味はランニング。フルマラソンのベストタイムは2時間49分11秒(2012年勝田全国マラソン)。

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