鉄道各社は「ミサイル発射」にどう対応したか 東北新幹線などストップ、走り続けた路線も

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東京メトロによると、4月の時点ではJアラートのほか、ミサイル発射の報道があった場合でも運転を見合わせることにしていたが、その後「Jアラートが鳴った場合」に基準を見直した。「今回はJアラートの対象地域ではなかったため、運転見合わせはしなかった」という。

国土交通省鉄道局危機管理室によると、今回のミサイル発射でJアラートの対象地域を運行するJR、大手私鉄については「列車の抑止を行ったことを把握している」という。

一方、対象地域外でも安全確認のため一時運転を止めた鉄道会社もある。

神奈川県内を走る相模鉄道(相鉄)は、6時02分から全線で一時運転をストップした。同社はミサイルが関東地方に飛来した場合は運行を見合わせることにしているといい、今回は「北関東(茨城、栃木、群馬)がJアラートの対象地域に入っていたため、そのルールにのっとって停めた」。相鉄線は一部で米海軍厚木基地の敷地横を通っているが「それは運転見合わせには関係ない」という。

都内の多摩地区を南北に走る多摩都市モノレールも、6時08分から約9分の間、全線で運転を見合わせた。同社の場合は「基本的にJアラートやエムネットでミサイル発射の情報が入れば、運転は直ちに見合わせることにしている」。都内は今回、Jアラートの対象地域ではなかったが「担当者が万全を期してストップさせた」という。

「長野に隣接」名鉄もストップ

対象地域外で一時列車を停めたのは、関東地方の鉄道だけではない。今回のミサイル通過エリアからはだいぶ離れた、愛知県や岐阜県に路線網を持つ名古屋鉄道(名鉄)も、全線で約10分間運転を見合わせた。

Jアラートの対象地域が北海道や東北地方など東日本エリアだったため、インターネット上では「なんで北海道にミサイルが飛んで名鉄が停まるのか?」「台風でも停まらない名鉄がなぜ」といった声も見られたが、同社によるとその理由は「運行エリアに隣接する長野県がJアラートの対象地域に入っていたため」だ。

ミサイルが発射された場合、名鉄では「運行エリアがJアラートの対象地域に入っている場合に運転を見合わせる」のが基準だが、今回は万全を期して全線を停止させたという。同社によると、6時02分にエムネットの情報を受けて運転指令から停止を指示し、6時06分までに運行中の全列車をストップ。ミサイル通過の情報が出た6時17分に運転を再開した。

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