先入観と全く違う「東京の地下鉄」本当の深さ

大江戸線より銀座線のほうが海抜では低い

景色が見えないからわかりづらいが、東京の地下鉄はアップダウンが激しい(撮影:吉野純治)

東日本大震災の大津波以来、海辺の町ではその場所の標高が書かれた看板が多く立てられている。それなら東京の地下鉄駅の標高はどうなのか。地上から数十段階段を降りればホームに着く駅もあれば、長いエスカレーターで地下深くまでもぐらねばならない駅もある。調べてみたら意外な事実がわかった。

たとえば東京メトロ日比谷線広尾駅。外苑西通りに面した1番出入り口には「標高10.9m」と大きな看板が掲げられている。そこから階段を下りること52段。駅のホームに至る。階段は目測で一段約20cmなので、ホームはちょうど標高(海抜)ゼロm付近に位置していることがわかる。

地下にある駅なのに海抜ゼロm以上か、あるいは以下か、また海抜ゼロm以上でもどのくらい高いのか、ゼロm以下でもどのくらい低いのか。気になるのは私だけだろうか。

地下鉄はアップダウンが激しい

東京の地下鉄路線は、車窓が暗闇なので気づかないが、実は地上の路線以上にアップダウンが激しい。ほぼすべての路線が、まるでミニ山岳鉄道のよう上り下りを繰り返している。

その理由の一つは、東京の地形が小規模ながら山あり谷ありと凹凸が激しいためだ。特に山手線の内側とその西側は武蔵野台地が広がり、坂道が多く、複雑な凹凸地形を成している。そこを通る地下鉄も、大なり小なり地形に合わせてアップダウンをしている。一方、山手線より東部、いわゆる下町エリアは、平坦な低地が広がっている。

もう一つの理由は、後に造られた地下鉄ほど、それ以前にできた地下鉄や地下の高速道路、ビルの基礎部分、電線や下水の幹線管をくぐったり避けたりするため、アップダウンを繰り返す。都心周辺では地下鉄や地下道路など、深く潜ったまま進む大深度化も進んできた。

さらに省エネ運転のためにわざと坂道にしている所もある。駅を出発してからしばらくは下り勾配とし、途中から上り勾配に移り次の駅に着くという線路設計である。こうすれば出発してから下り坂なので加速をつけやすい。逆に駅に向かうにつれ上り勾配になると速度を落としやすい。地上が平地で深さがほぼ一定の条件を満たす東京メトロ有楽町線新富町―辰巳間などがこの構造である。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。