金融庁が仕掛ける、FX市場の“大転換”

店頭取引の急縮が起こる?

FX(外国為替証拠金取引)市場が、大きな分水嶺を迎える可能性が出てきた。近年、FX市場は取引所を介さない業者間の店頭市場(OTCマーケット)を主体に投資が行われ、市場規模も巨大化していたが、場合によっては、来年度(2014年度)には総合取引所を介した取引所取引に需要が向かうという、“大転換”が起こりかねない情勢になりつつある。

この背景にあるのは、金融庁が本日行った平成26年度(2014年度)税制改正要望だ。金融庁は同要望に「金融所得課税の一体化」を盛り込んだ。具体的には、現状、「金融商品に関わる損益通算の範囲が上場株式、公募株式投信に限られている」ことについて、損益通算範囲を「デリバティブ取引、預貯金まで拡大する」ことを盛り込んだ。

取引所取引と店頭取引で税制面の優劣が生じる?

デリバティブ取引は、スワップ、オプション、先物取引などであり、FX取引も含まれる。そのうえで金融庁は、取引所取引と店頭取引に分かれているデリバティブ取引について、「とくに、総合取引所に係るデリバティブ取引については、早期に実現すること」を求めた。金融庁の要望通りになると、FX取引のうち、取引所取引の部分は損益通算が可能となる一方で、店頭取引の部分は損益通算の対象とならないという税制面での優劣が生ずることになる。

そもそも、FX取引は当初、取引所取引が優勢だった。これは、取引所取引が一律20%の分離課税扱いであるのに対して、店頭取引は申告課税方式であり、最高税率は50%になる税制上のリスクが投資家に忌避されていたからだ。

ところが、2012年1月、店頭取引も取引所取引と同様に分離課税扱いとなり、税制上、取引時取引と店頭取引にレベル・プレイング・フィールドが成立すると、取引手数料などが格段に安い店頭取引に投資需要(オーダーフロー)が大きくシフトし、取引所市場の縮小と店頭市場の膨張が同時に進展した。

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