口座開設でトラブルも NISAの落とし穴

銀行、証券の口座獲得競争で懸念が生じている

ライバルに先を越されるな──。少額投資非課税制度(NISA)をめぐって、銀行や証券会社が顧客獲得に熱を上げている。

NISAは年間100万円の元本金額を上限に、株式投信、現物株式の売却益、配当などが非課税扱いになる制度だ。対象期間は5年で、最大500万円まで非課税で株式投資ができる。

ここまで本格的な非課税制度は久しぶりだ。そのうえ、足元では株式市場もにぎわいを取り戻している。来年1月の取り扱い開始を前に、金融各社はテレビCMを投入するなど、動きを活発化。NISA専用口座開設の申請受付開始日である10月1日に向けて、6月ごろからは営業活動も激化の一途をたどっている。

だが、ムードの盛り上がりとは裏腹に、思わぬ落とし穴も心配され始めている。

NISAの恩恵にあずかるには、専用口座を開設する必要がある。しかも、一人の投資家が開設できる専用口座は一つだけ。それゆえ金融機関には、専用口座獲得の有無がNISAビジネスの勝敗を決する、という考えが広がっている。

ある証券会社の営業マンは、苦笑交じりにこう振り返る。

「NISAのセールスでお客さんのところに行ったら、『今頃来たのか。もう二つの銀行に口座開設の申請書を出した』と言われた」

営業マンは、複数の金融機関に申請書を出したことは問題があると説明した。しかし、顧客はその意味をきちんと理解できなかったという。

専用口座の開設には、申請書類と住民票の写しをセットにして金融機関経由で税務署に申請しなければならない。それを税務署が受理すれば、晴れて専用口座開設となる。そのため、銀行や証券会社はわれ先に申請書類と住民票の写しの確保に走ることになった。

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