証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力"

「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる

EU発の金融規制・MiFID II(ミフィッド2)の考え方は世界に広がる可能性が高い(編集部撮影)

AI(人工知能)の進化とともに消滅するといわれる職業の一つが、企業の収益や株価を予想する「証券アナリスト」である。しかし、証券アナリストは、AIの進化を待たずして、その大半が淘汰される可能性が高まっている。MiFID II(ミフィッド2)という、新型爆弾のような名前の、金融の新規制の影響だ。

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これにより、来年1月から、投信や投資顧問などの運用会社は、外部からのリサーチ(調査)購入を原則として禁止される。運用会社は、例外規定の下でリサーチ購入を続けるだろうが、それでも需要縮小は必至だ。この規制の影響で世界の証券アナリストは半数以下になるという試算もある。同時に、株価を左右する企業の収益予想自体も大きく変わりそうだ。ミフィッド2の"殺傷力"はどの程度なのか。

世界の証券会社を襲った衝撃

「ミフィッド」(Markets in Financial Instruments Directive) という規制は、欧州版の「金融商品取引法(金商法)」のことである。2007年11月に、投資家保護を主眼に施行された。日本の金商法と同様に、運用会社や証券会社に対し、投資家に合った取引商品の提供や、取引の透明化などを義務づけている。

そこまでは日本にも見られる自然な流れで、まったくサプライズはない。しかし、2014年6月に公布された改正法「ミフィッド2」が示した手数料規制の大幅な厳格化は、世界の大手金融機関を震撼させた。

対象となるのは、欧州の投資家のおカネを預かる運用会社と、これらに対してリサーチを提供する証券会社。それ以外の地域の金融機関は対象外なのだが、現在、世界中でミフィッド2の要件を満たせるよう手数料体系の見直しが行われている。各地域で別々の対応をすると透明性が失われるうえ、将来的にはミフィッド2的な規制が世界標準になるとみられているためだ。

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1976年に創業し、90年代の渋カジブームを牽引したビームスが今も元気だ。創業以来赤字知らず。40年、最先端を走り続けられる秘密は何か。設楽洋社長への独占インタビューを掲載。