役割増すが人数不足、「産業医」が抱える課題

必要な職場は16万以上、なのに実働は3万人

国を挙げて「働き方改革」が進められているが、これからの産業医のあり方とは?(筆者撮影)

職場の安全対策や健康診断後のフォローまで、幅広い対応を行う産業医。国を挙げて「働き方改革」が進められ、健康経営への注目がにわかに高まる中、医学の専門家の知見をどのように生かし、企業の発展につなげていくべきか。産業医のあり方が変わり始めている。

いったい何が変わりつつあるのか。現在6社で産業医を務める尾林誉史氏に話を聞きながら、今後の課題について考えてみたい。

「産業医も、企業の成長を支える社員の一人」

「お久しぶりです。今、どんな仕事をしているんですか?」

尾林氏は月に1度、契約を結んだ企業のオフィスを訪れ、従業員にこんなふうに話しかける。「職場巡視」と呼ばれる、産業医業務の一環だ。単に社内を見て回り、職業病や労働災害につながりそうなリスクを探るだけではなく、従業員とコミュニケーションをとって、顔の見える関係づくりに励んでいるという。こうした関係づくりが、「従業員が産業医に相談しやすい環境」につながると考えているからだ。

「産業医もある意味、企業の成長を支える社員の一人。自分が“顔の広い社員”になることで、『仕事がつらいな』という時、気軽に相談してもらえる雰囲気をつくることが目的です。『産業医面談=何か問題を抱えた社員が受けるもの』という誤ったイメージもあると思うので、多少ずうずうしく思われてもコミュニケーションをとってハードルを下げつつ、従業員の抱える問題が深刻化する前に手を打ちたいと考えています」(尾林氏)

次ページ産業医の主な業務は?
関連記事
トピックボードAD
人気連載
トレンドライブラリーAD
  • コメント
  • facebook
0/400

コメント投稿に関する規則(ガイドライン)を遵守し、内容に責任をもってご投稿ください。

アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • いいね!
トレンドウォッチAD
集中連載 電力の大問題<br>再生エネルギーの大競争

パリ協定を機に有力投資家も注目し始めた再生可能エネルギー。グーグル、アマゾンなどの巨大企業がしのぎを削る。中国も脱炭素化に本腰を入れる。出遅れた日本の対応は?