義務化された「ストレスチェック」とは何か?

50人以上の事業所は実施、制度には不備も

勤務問題を理由に自殺する人は年2000人を超えている(写真:tooru sasaki/PIXTA)

マイナンバー制度導入のドタバタの裏で、この12月にひっそりと始まったもう一つの制度がある。労働者の心の状態を年1回調べる「ストレスチェック」だ。

「非常にたくさんの仕事をしなければならない」「へとへとだ」──。国が推奨する「職業性ストレス簡易調査票」は、57項目の質問に4段階で答える方式。労働者はウェブ上か紙で回答する。

従業員50人以上の事業所に義務づけ

その結果、高ストレス者と判定され、かつ本人が希望した場合には、産業医などの面接指導を受ける。必要に応じ、事業者が残業や休日出勤の削減などの措置を取る、という流れだ。

ストレスチェックは、労働安全衛生法の改正によって、従業員50人以上の事業所に対し全従業員への実施が義務づけられた。その狙いは、労働者が自分のストレス状態を知って早めに対処し、うつなどを予防することにある。

厚生労働省によると、自殺やうつによる経済的損失は、2009年で約2.7兆円。2014年の自殺者は2万5427人で、うち2227人が勤務問題を苦に命を絶った。職場におけるメンタルヘルスの改善が、喫緊の課題であることは間違いない。

ただこの制度は、実施方法の浸透も効果の検証も不十分なまま、走り出してしまった。事業者はストレスチェックを2016年11月末までに1回は実施する必要がある。厚労省が受検と結果の出力、集団分析などができるプログラムの無償配布を始めたのは、義務化を目前に控えた11月24日のこと。事業者が様子見を決め込むのも無理はない。

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