茨城の県都・水戸、なぜ「独り負け」が続くのか

関東の県庁所在地で唯一地価の下落が続く

JR水戸駅前。昼間にもかかわらず、人の数はまばらだった(記者撮影)

東京駅からJR常磐線の特急に乗り、のどかな田園風景を横目にしながら1時間半弱で、茨城県の県都・水戸市に着く。東京から直線距離で約100キロメートルと、地方都市としては恵まれた立地だ。

が、駅の北口を出ると、人口290万人を抱える県の中心地にしては、物寂しい空気が漂う。車の往来は多い半面、駅前のペデストリアンデッキや、大通りを歩く人の数はまばら。駅から見渡せる範囲でも、空きビルや空き店舗が目に付く。

秋田市・新潟市と並んで地価が下落

7月に国税庁が発表した今年の路線価は、全国の平均値が前年比0.4%増と2年連続で上昇した。バブル期のピークを超えた東京・銀座を筆頭に、全国の47都道府県庁所在都市の最高価格地点も、多くが前年比で上昇もしくは横ばいとなった。

しかしその中で、前年より地価が下落した県庁所在地が全国で3市ある。秋田市、新潟市、そして水戸市だ。

水戸市は東京からのアクセスや気候条件に恵まれているはずだが、それでも地価が下げ止まらない。国土交通省が毎年3月に発表する公示地価でも、水戸市の平均は2009年以降9年連続で下落している。

栃木、群馬を含めた北関東3県で比べても、水戸の苦戦が目立つ。3県とも県全体の路線価は前年比で下落となったが、宇都宮市と前橋市の最高価格地点は横ばい。水戸市だけ下落が続いた。水戸の「独り負け」ともいえる状況だ。

市内で衰退が著しいのが駅周辺の中心市街地だ。商業施設やオフィスで栄えてきた水戸駅北口を出てすぐ、ペデストリアンデッキを挟んで真向いのビルが立ち並ぶ通りの中に、ぽっかりと空いた大きな更地が見える。

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