船の「盲点」を突くサイバー攻撃が増えている

ハッカーが海運業界にもたらす脅威は甚大だ

 8月7日、船舶の衛星ナビゲーションを狙ったサイバー攻撃のリスクは、各国を第2次世界大戦の無線技術に由来するバックアップ・システムの開発に向かわせている。写真は英仏海峡を渡る貨物船。昨年1月撮影(2017年 ロイター/Toby Melville)

[ロンドン 7日 ロイター] - 船舶の衛星ナビゲーションを狙ったサイバー攻撃のリスクは、各国を第2次世界大戦の無線技術に由来するバックアップ・システムの開発に向かわせている。

ハッカーによる電波妨害に弱い

船舶は、衛星信号の送受信に頼る全地球測位システム(GPS)や他の類似装置を使用するが、ハッカーによる電波妨害に弱いと多くの専門家は指摘する。

世界貿易の約9割は海路を通じて行われている。海上交通路の混雑は激しさを増しており、危険が高まっている。航空機とは異なり、船舶にはバックアップのナビゲーションシステムがなく、もしGPS機能が停止した場合、座礁するか、他の船と衝突する恐れがある。

韓国は「eLORAN」という地上系電波航法技術を用いた代替システムを開発中だ。米国も同システムの開発を計画している。また、英国とロシアも無線信号を使う同テクノロジーの導入を検討している。

こうした動きは、船舶ナビゲーションシステムの混乱が近年、相次いで発生していることを受けてのものだ。そのような事態に意図的な攻撃が関与しているかは不明だ。気象の影響が、衛星信号の消失につながる可能性もあると専門家は指摘する。

韓国は昨年、数百隻もの漁船が、北朝鮮のハッカーからGPS信号に妨害を受け、予定より早く帰港したと主張。一方、北朝鮮はそのような嫌疑を否定している。

黒海で今年6月、1隻の船が、GPSシステムが妨害され、同海域にいる20隻以上の船が同様の被害に遭っていると、米沿岸警備隊のナビゲーションセンターに通報した。

米沿岸警備隊の当局者らも、船舶に搭載されているGPSへの妨害によって、2014年に数時間、ある港での活動に障害が生じたことを明らかにした。また、その翌年にも別の港で同様の被害が起きたとしているが、どの港かは明らかにしていない。

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