300万本突破!超人気「ドラクエⅪ」の舞台裏 「原点回帰」を徹底し、2機種発売で大ヒット

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PS4の高画質ながら「ドラクエらしさ」は健在。村も作り込まれている。ちなみに、物語の最初の舞台である「イシの村」は開発陣が実際に訪れた古代遺跡「マチュ・ピチュ」をモデルにしている © 2017 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved. 

5年後、10年後を見据えた次の一手は?

当初はドラクエ30周年に間に合う5月までの発売を目指しており、「間に合わせるつもりだった」(三宅氏)という。しかし、ゲームバランスや遊びやすさの改善といった最終的な調整をするために2カ月遅らせ、発売日は7月になった。

今回、2機種での発売となったが、現在3機種目の準備も進めている。今年3月に任天堂から発売された『ニンテンドースイッチ』版だ。ただ、スイッチ版の開発自体は昨年に公表されていたものの、その後は情報がない。その点について三宅氏は『技術的な調整に時間がかかっており、発売日はまだいえない状態。ただ、発売に向けた開発は進めている』と明かした。

「王道への回帰」によって順調な滑り出しを見せた31年目のドラクエ。だが、ファンにとって気になるのは「御三家体制」の今後だろう。ゲーム業界でも、初期のメンバーが30年以上に渡って制作の中心を担うドラクエは希有な存在で、これこそが作品としての高評価にもつながっている。

ただ、「御三家」は軒並み60歳を超え、すぎやまこういち氏にいたっては86歳。三人とも健在だが、これからのシリーズ継続を考える上でこの問題を避けては通れない。ファンが納得できる作品を今後5年、10年と発売し続けることができるか。ドラクエも次の一手が求められているのだ。

渡辺 拓未 東洋経済 記者

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わたなべ たくみ / Takumi Watanabe

1991年生まれ、2010年京都大学経済学部入学。2014年に東洋経済新報社へ入社。2016年4月から証券部で投資雑誌『四季報プロ500』の編集に。精密機械・電子部品担当を経て、現在はゲーム業界を担当。

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