大人気「ハンドスピナー」は異例ずくめだった どのように生まれたか、よくわからない?
「ハンドスピナー」と呼ばれる玩具が、今年に入って大きな盛り上がりを見せている。大手メーカーが大々的にテレビCMを打っているわけではないが、最近では動画サイト「YouTube」に投稿するユーチューバーたちが遊び方を紹介しており、子どもだけでなく大人にも人気が広がっているようだ。
ハンドスピナーはさまざまな面で「異例ずくめ」といえる玩具だ。正式な名称はなく、「フィンガースピナー」「フィジェットスピナー」とも呼ばれる。羽の枚数や形状にはさまざまなパターンがあるものの、基本的な遊び方は極めてシンプル。中央部を指で挟み、回すというものだ。中央部の周辺にはベアリング(軸受け)が搭載されており、一度回すとなかなか止まらない。
以上の説明を編集部内でしてみると、50代社員からは「え、それだけ? 肩こりに効くとか、そういうのはないの?」という反応が返ってきた。しかし、基本的な遊び方は「指で回す」、それだけだ。
かつてのムゲンプチプチと近い?
実際、記者も最初は「どこがよいのだろう」と懐疑的だったが、しばらく回し続けているとしだいに、無意識にハンドスピナーに手を伸ばすようになっていた。もともと指でペンを回す「ペン回し」が好きな性分のせいか、回転運動を見ているだけで気分が落ち着く。さらに、回転しているハンドスピナーを左右に傾けると、若干の抵抗感が得られ、その感覚もクセになってくる。
バンダイナムコホールディングス傘下の玩具メーカー・メガハウスは6月中旬に「フィンガースピナー」という商品名でハンドスピナーを発売。米国メーカーの提案を受けたもので、発売時にはすでにネットで並行輸入品が出回るなど後発だったが出荷は好調だという。トイ事業部マネージャーの飯田恭崇氏は「1000円前後の価格帯の玩具は年間10万個売れれば業界的には大ヒット。それを十分に狙えるペースで売れている」と自信を見せる。
人気の理由については「以前、気泡緩衝材を潰す感覚を味わえる『ムゲンプチプチ』といった手遊び系商品が流行した。ジャンルとしてはそれに近いのではないか」(飯田マネージャー)と話す。
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