ルネサス、鶴岡工場閉鎖は本当に妥当なのか

“消えかけた”独立案が再浮上

ルネサスが閉鎖の意向を表明している鶴岡工場

経営再建中の半導体大手、ルネサスエレクトロニクスが打ち出した工場閉鎖案をめぐって、関係者間での駆け引きが続いている。

焦点となっているのは、ルネサスが閉鎖する意向を表明した鶴岡工場(山形県鶴岡市)。システムLSIの基幹工場であり、2カ所しかない300ミリウエハ対応ラインを持つ国内では最先端の工場だ(300ミリのもう一カ所はマイコンの基幹工場である茨城県ひたちなか市の那珂工場)。

ルネサスが8月2日に発表した構造改革策で、鶴岡工場は「3年以内に集約」と位置付けられた。集約とはすなわち閉鎖を意味する。鶴岡以外にも閉鎖とされたのは甲府工場(山梨県)や滋賀工場(滋賀県)、高崎工場(群馬県)の一部ラインがある。

任天堂ゲーム機やAV機器向け半導体を生産

鶴岡は任天堂のゲーム機向け特注半導体が主力で、国内電機メーカーのAV機器用など幅広い品目の半導体を生産している。国内電機メーカーの地盤沈下に加えて、最近では任天堂のゲーム機販売の落ち込みが響き、赤字を垂れ流す状況だ。ルネサス経営陣と、9月末までに1383億円を出資し、69%の筆頭株主になる産業革新機構にとって、鶴岡工場の処理はルネサス再建に向けた大きな課題のひとつと言っていい。

ここ2~3年、ルネサスは鶴岡の売却を模索。世界最大の半導体受託製造の台湾TSMC、米グローバルファウンドリーズ、その他の米大手などと交渉を行った。中でもTSMCに対しては、当時のルネサス経営陣が訪台するなど積極的に働き掛けた。だが、プロセスの流れが異なっていることで、「売却は無理筋」との見方も多く、その見立て通り、結局、実現には至らなかった。

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