シャープへの届かぬ“想い”、鴻海の本音

鴻海の研究開発子会社、シャープ出身社長が明かす裏側

EMS(電子機器の受託製造サービス)世界最大手、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業が今年5月、ディスプレーの研究開発(R&D)を手掛ける拠点として大阪に子会社を設立した。社名は「フォックスコン日本技研」。社長にはシャープで液晶生産技術開発本部長などを務めた矢野耕三氏、副社長には日立製作所出身の後藤順氏が就いた。今後、ディスプレーの日本人技術者を採用していく方針だ。
鴻海といえば、2012年3月にシャープと資本業務提携で合意。その後、シャープ子会社の堺工場に出資したが、株式取得価格などが折り合わず、シャープ本体への出資交渉は停滞したままだ。鴻海は傘下に台湾イノラックスを抱え、ディスプレー事業を手掛けるが、汎用品向けパネルが中心。フォックスコン日本法人設立により、高付加価値品も自社で内製化することで、シャープとの協同路線から独立路線へ舵を切るとの見方もある。そうなれば、シャープなど日本のディスプレーメーカーのライバルになるとも一部では指摘される。
フォックスコン日本法人設立の狙いは何か。改めて矢野社長、後藤副社長に聞いた。
フォックスコン日本技研の矢野耕三社長

大きな目的はサムスンに勝つこと

――フォックスコン日本技研を設立した経緯について教えてください。

矢野 そもそも、われわれの親会社である鴻海の大きな目的は、韓国サムスン電子に勝つことです。その目的に向けて、設備や材料で世界的な競争力がある日本メーカーとひざを突き合わせ、新しい製品を一緒に開発していきたい。ここを設立したのは、その橋頭堡とするためです。

主に開発するのはディスプレーです。ただし、そのための人材獲得もしますが、それがメインの目的ではありません。重視しているのは、材料メーカーや設備メーカーとの共同開発です。それに付随して人材獲得もしていきます。

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