悪条件でも「喜んでOK」させる巧妙心理テク

「一人芝居」「安い借り」に気をつけよ

フェイクの借りにだまされて、うっかり不利な条件を飲んでいませんか?(画像:マハロ / PIXTA)
営業や交渉などの場面でしばしば用いられ、いつの間にか自分が不利な条件を受け入れてしまうことになりやすい「返報性」。ロバート・チャルディーニ博士は著書『影響力の武器』の中で、人を動かすうえで強力に働くものを6つ提示しましたが、その中でも特に影響力があるとして、「返報性」を1番に紹介しています。
返報性の原理そのものは単純です。ビジネススクールで学ぶ必修基礎が「1フレーズ」ですっきりわかる、をコンセプトにまとめた『MBA100の基本』が7万部を突破した著者が、悪用厳禁、知っておくと己の身を守れる、返報性のわなについて解説します。

 

さて、皆さんはこんなシーンに遭遇したことはないでしょうか。

共働きなのにいつも妻が夕食の準備をする家庭があった。妻はさすがに不公平だと思い、「土日の夕食準備はお願いね」と夫に言った。夫が「2日はちょっと無理だよ」と言ったところ、妻は「じゃあ、土日のどちらかで」と答えた。夫は仕方ないかと思い、「じゃあ、週末のどちらかの夕食準備はするよ」ということで話は決着した。

子どもを塾に入れようと考えていたとき3教科受講を勧められた。最初から複数の受講はリスクが高いので「とりあえず1教科から」と言ったところ、「本当は複数教科のほうがお得なのですが、特別に1教科からにしましょう」と言われ、「その代わり、通常は1カ月からのお申し込みなのですが、3カ月分の申し込みでよろしいでしょうか」と言われ、承諾した。

これらはありがちなシーンですが、共通するテクニックが使われています。

相手に「喜んで」条件を飲んでもらうコツ

『MBA100の基本』は7万部を超えるベストセラーになっている(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

ここで注目すべきは「返報性」です。人間は他人に借りがある状態を心地よく感じないので、何らかの借りがある場合、その借りのある状態を解消すべく、相手の頼み事を聞いてしまいやすくなるという心理的な性向です。

先のケースを見て、「別に『借り』なんてないのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。しかしそうではないのです。

返報性の怖さのひとつは、その借りが実体を持つ必要はなく、心理的に「借りがある」と思ってしまうだけで、返報性が発動してしまうという点です。

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