日本のビール、韓国で大人気のワケ アサヒ、サッポロなど日本勢がシェア拡大

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韓国で健闘する日本のビール。アサヒビールのスーパードライ500ミリ缶は3900ウォン(約350円)で販売

OBビールとハイトビールが二分する韓国ビール市場に、地殻変動が起き始めた。多様な味をウリに、輸入ビールが市場を揺るがしているのだ。韓国関税庁によれば、今年上半期(1~6月)のビール輸入額は3951万ドル(約39億円)で、前年同期比で21%増となり、この3年間で輸入ビール市場は68%成長した。輸入国数も、2010年の34カ国から今年上半期には43カ国となった。

輸入国では、日本が断トツだ。日本から輸入されたビールは1322万ドル(約13億円)で、輸入ビール全体の33.5%を占める。続いてオランダ(506万ドル、約5億円、13%)、ドイツ(410万ドル、約4.1億円、10%)、中国(352万ドル、約3.5億円、9%)、アイルランド(323万ドル、約3.2億円、8%)の順だ。これには、韓国で生産されているバドワイザーとヒューガルデンビールはこの統計から外されているので、韓国で生産される海外ブランドビールまで含めると、輸入ビールのシェアはさらに拡大する。

輸入ビールシェアは8%、海外との往来増がきっかけ

韓国のビール市場における輸入ビールのシェアは今年上半期で8%。関係者の誰もが、「10%突破も時間の問題」と口をそろえる。実は、輸入ビールの需要は5年前から徐々に拡大してきた。韓国との自由貿易協定(FTA)締結国が増え、関税も下がったことがきっかけ。また、海外旅行経験者や留学生が増え、多様なビールの味を韓国でも味わいたいという消費者も増えている。輸入ビール市場が拡大していくなか、海外ブランドと独占契約を結ぶ企業も一つ、二つと増えた。流通ルートも多様化し、海外ブランドのビールの消費も増えてきたのである。

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