「言語の反射神経」を鍛えよ
私は予備校で英語を25年にわたって教えてきて、日本の受験英語教育の現場を嫌というほど目にしてきています。その経験から言えるのは、日本の英語教育は、学校も予備校も「わかる」ことを非常に重要視するという事実です。教えやすい文法や英文解釈ばかりに時間を費やし、「わかる=理解する」ことに励むわけです。さらにもう1つ重視されているのが「暗記」です。
私も理解すること、暗記することは、言語を習得するうえで非常に重要な側面だと思っています。ですが、日本の英語教育は理解をし、暗記することだけを繰り返しているだけのように思います。この偏りを是正しない限り、本来重要である「言語の反射神経」つまり「言葉を使う力」を身につけることができないと、私は、考えています。
Mickey there today speaks English, we don’t actually think about grammatical rules. We don’t actually make any conscious effort to recall what we have studied at the desk. So, speaking a language or reading a language and understanding spoken language should be an automatic process. What is important is to automatize what you have learned at your desk into what can be called “motion memory.” I think this transformation process, or practice, is what is lacking in Japanese English education. And I personally think that learning to automatize is the most important process in mastering the second language.
(私が英語を話すとき、あなたが英語を話すとき、そして、今日この場に来てくれいる私の友達ミッキーが英語を話すとき、私たちは文法のルールについては考えたりしません。机で勉強したことを意識的には思い出していないわけですから、言葉を話したり読んだり、聞いて理解するのは反射的なプロセスなわけです。ですから、大事なのは机で学んだことを、いわゆる「動的記憶」とでも呼べるものへと自動化することなんです。この変換プロセス、または訓練こそが日本の英語教育に欠けていることだと私は思います。そして、この自動化の訓練こそが第二言語をマスターする上で最も大事なプロセスだと個人的には考えています)
(もちろん、母語は自然にしゃべれるようになったのだから、第二言語も自然に習得できるようになるべきだと仰る方もいるかもしれません。しかし、第一言語を学ぶときは、その母語のシャワーを浴びつつ10〜12年の長い年月を要したことを忘れないでほしいのです。外国語を習得する際には、こんな贅沢は許されるわけもなく、もっと手っ取り早いプロセスを踏まなければなりません。だからこそ、私たちは文法や頻出単語を学ぶわけです。こういった学習には意識的な努力が必要になります。つまり、まずセオリーからスタートするわけです。でも、日本の英語教育はほとんどがここで止まってしまう。ずっと机で勉強、勉強、また勉強を重ねるんですね。静かな図書館で音を使わずに勉強することに終始するのが日本の英語教育のいちばんの問題だと私は思っています。だから、今日ここにいるみなさんにしてほしいのは訓練なのです。私は少なくとも50%の英語学習時間は、英文を音読することと、英語の音声を聴くことに充てるべきだと思っています)
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