ドンキ「格安4Kテレビ」が速攻で完売した理由 5万4800円、なぜここまで安くできたのか?

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予約注文を含め販売台数は3000台。ネット上では「ジェネリックレグザ」とも呼ばれている(記者撮影)

「驚安の殿堂」にここ数年で最も強烈な目玉商品が加わった。しかし、その商品は売り場から「瞬間蒸発」してしまった。

全国でディスカウントストアを展開するドン・キホーテ(以下ドンキ)は6月15日に同社初となる4K対応50型液晶テレビを発売した。商品は店頭で飛ぶように売れ、初回販売分はわずか1週間で完売となった。予約注文を含めて販売台数は3000台に達した。

ドンキは予約受付を一時休止。今後の販売については「部材の調達が整い次第再開する」(ドンキ)とのことだが、明確なスケジュールは未定だ。

6万円以下で50型の4Kテレビを作りたい!

ドンキのテレビが圧倒的な支持を得たのは、5万4800円(税抜き)という破格の安さ。4K液晶テレビというジャンルの中で単純な比較は難しいが、家電量販店に並ぶ他社の50型テレビ(10万円前後)と比較しても最安値といえる。もうひとつは「レグザ」を展開する東芝映像ソリューション製のメインボード(電子回路基板)を採用したことだった。

それにしても、なぜここまで安くできたのか。そこにはドンキで10年以上にわたって家電の開発を続けてきた担当者の存在があった。

「6万円以下で50型の4Kテレビを作りたいとずっと考えていた」。今回、開発を担当した、トレンドセレクトMD開発本部・マネージャーの寺尾尚之氏とSPA開発本部・サブマネージャーの水橋晃司氏はそう口をそろえる。

家電をこよなく愛する2人は、4Kテレビの市場価格がほかのカテゴリーのテレビと比較して下がっていないことに着目。家電メーカー各社が付加価値をつけ、テレビをより高い価格で発売する姿勢に疑問を感じていたという。そこで無駄な機能を削ぎ落としたテレビを作るべく、2016年6月から4Kテレビの開発プロジェクトがスタートした。

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