ニトリはなぜ「都心店」出店を加速させるのか 新宿・池袋に続き、大型店を渋谷に開業

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渋谷店には、中価格帯のレザーソファを集めた売り場も登場した(記者撮影)

「渋谷では10年以上、出店場所を探してきた。出店を実現できて本当にうれしい」。6月30日、ニトリホールディングスの似鳥昭雄会長兼CEOはオープニングセレモニーでそう語った。

「ニトリ渋谷公園通り店」は、9フロアに及ぶ多層店舗だ。売り場面積は約1500坪と、山手線内にある都心店として最大規模。渋谷駅から徒歩6分の好立地で、ニトリの品ぞろえを結集した店舗といえる。

「シダックス」の跡地に出店

渋谷店の1階には夏を意識したコーディネート提案の売り場が設けられている(記者撮影)

家具と生活雑貨の構成比は半分程度。レザーソファなど比較的単価の高い商品も強化した。季節に合わせたコーディネート提案を行うことで、若者層など客層の拡大を図る。

多層階のため、1フロアの面積が狭く、売り場には壁面が多い。そこで壁面プロジェクターを導入し、動画で商品を紹介できるようにもした。

この店は、昨年8月末までカラオケ「シダックス」の本社と渋谷店があった場所にある。ニトリを誘致した志太勤一シダックス代表取締役会長兼社長は「日本のライフスタイルに影響を持つ流通業のニトリとシダックスが手を取り合うことで、新しい渋谷の魅力を発信できる」と期待をこめる。

今回、大家となるシダックスは、自社が手掛けていたアミューズメントなどと異なる業態で、さらに一棟丸ごと借りるだけの体力のあるテナントを探していたという。その条件にかなったのがニトリだったというわけだ。

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