小池百合子の「戦闘服」はこう計算されている あの"風呂敷スカーフ"にも意図がある

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小池氏のファッションは、女性誌でもよく取り上げられている。今までの女性政治家にはない華やかさと、仕事をする女性として参考にできるポイントがいくつもあるからだ。それは圧倒的な男社会で、“政界渡り鳥”などと揶揄されながらも都知事の座を射止めた彼女ならではの技だ。

その特徴をいくつか挙げていこう。

上半身でいかに印象を強くするか

1.色を戦略的に使う

先ほども述べたように、彼女は派手な色ジャケットをよく着こなす。赤、青、紫、イエロー。そして、都知事選で百合子ブームを後押しするほど印象的だった、百合子グリーン。この百合子グリーンには風水的な意味があると指摘する人もいる。

派手色ジャケットを着る女性政治家はこれまでも多くいたが、着こなせている人は少なかった。どうしても女性政治家が色を着こなすと、そこにはイメージカラーへのこだわりがあるように思う。白にこだわる蓮舫議員、福島瑞穂議員も色スーツを着ているが、いつも袖丈が余っていて、吊るしのまま買っているのが見受けられる。また、デザインがひと時代前なので“遅れているひと”というイメージがつきまとう。その点では小池都知事は上半身は色で華やかにしているようで、下半身は黒や地味色でまとめ、着こなしも身の丈にあっている。

さすがキャスター出身であるだけに、上半身でいかに印象を強くするかをわきまえている。その日会う人、TPOで絶妙に使い分けていると感じるが、なかなかのセルフブランディング力だ。ご本人も言っていたが、自宅には衣装部屋がありジャケットの数は200着を超えるという。

2.ジャケットを外さない

彼女のスタイルで印象的なのはジャケットを着こなす、というところだ。仕事における女性の服装には、男性のようにスーツ着用というルールが明確にあるわけではないが、公式の場所では男性のスーツに準じるジャケットを着用するというのが彼女のルール。ラペル(襟)のあるテーラードジャケット、ノーカラージャケットなど種類はいくつかあるが、男社会のルールから大きく逸脱しない。イギリスのテリーザ・メイ首相は時々ワンピースも着るが、ジャケットにこだわるのは小池氏の矜持なのだと思う。

3.タイトスカート+6センチヒールで女を使う

そして、ジャケットの下はたいていがタイトスカートである。稲田防衛大臣は裾が広がったミニスカートを履いて物議を醸したが、小池氏はあくまでひざ下ギリギリのタイトスカート。パンツスタイルもすることがあるが、7割がタイトスカートだ。男まさりになるのではなく(例:井脇ノブ子氏)、少女風でもなく(例:稲田朋美大臣)、大人の女の武器としてタイトスカートを毅然と選ぶ。そして、足元は6センチヒールのパンプス。膝下がいちばんきれいに見えると言われる高さである。すっかりヒールを諦めてぺったんこの健康靴を履いているアンゲラ・メルケル首相とは違う。

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