3年後の「大学入試英語」激変にはこう備えろ とりあえずどこから始めればいいのか

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藤岡:英検と聞くと、一昔前の世代からすると受験英語の延長のようなイメージがありましたが、いまや4技能均等測定型に変わっていますからね。弊社も、英検の「面接対策(スピーキング対策)」のプログラムを用意していますが、最近、受講される方が増えています。「TEAP」も、英検と同じ、日本英語検定協会が実施しているテストですよね。

安河内:はい。日本英語検定協会と上智大学とが共同で開発したテストです。GTEC CBTはベネッセが開発していますね。日本のテストなので、これらは日本の指導要領と世界基準のCEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠/言語の枠を超えて語学力のレベルを示す国際基準)の両方に準拠することを目指しています。

これらの試験のほかにも、留学希望者向けの「TOEFL iBT」や「IELTS」といった国際通用性の高い試験もあります。世界の大学で使われている4技能試験には、ほかにもケンブリッジ英検、PTE Academic、MELAB、iTEP Academicなどがあります。これらさまざまな試験の中から、大学入試センターが審査し、合格した試験が認定試験となるようです。

私大では外部試験活用が始まっている

藤岡:いずれの試験も、4技能それぞれのレベルを測定するタイプのテスト、というわけですね。

安河内:そうです。話す、については面接試験や録音型試験がありますし、書く、については要約や短いエッセイなどを書くといった出題形式がとられています。

藤岡:こうした外部試験を活用する動きは、私立大学などでも起こってきそうですか?

安河内:はい。実際、2020年を待たず、上智大学や早稲田大学、立教大学などの多くの有名大学で、英検、TEAP、TOEFL iBTなどの外部試験の活用をスタートさせています。受験生は、事前にそうした試験を受験し、学校が求める基準を満たせば、英語については「本番の試験を受ける必要なし」となったり、英語科目は満点となったりします。

こうした方式を採用したことで、これらの学校では、高い英語力を持つ学生の獲得に成功していますから、採用する学校は、国公立、私立を問わず、ますます増えていくことが予想されますね。

藤岡:となると、これから大学入試を目指す人たちは、4技能をバランスよく身に付けていく必要がありますね。具体的にどう勉強していくのがいいと安河内先生はお考えですか?

安河内:それは、4技能を融合して学習することをつねに意識することです。つまり、最初にお話ししたように、英語を受信する力と、発信する力を同時に鍛えていく。

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