新型iPadProを使うと他が使えなくなる理由 10.5インチモデルの実機を詳細レビュー

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iPad ProとApple Pencilをまとめて持ち運べるレザースリーブは6月14日発売で、1万5400円(筆者撮影)

今回、Apple Pencil用のペンケースや、ペンケースを内蔵するiPad Pro向けのレザースリーブが用意された。特にレザースリーブは、iPad ProとApple Pencilをまとめて持ち運んだり、カバンに入れるのに最適なアクセサリだ。

Apple Pencilはこれまで、しまう場所や持ち運び方に問題があった。他社製のスタイラスのように、タブレット本体に収納したり、本体に磁石で取り付けるような仕掛けにはなっていなかったからだ。

今回登場したレザースリーブは、その上質な手触りもさることながら、iPad ProとApple Pencilをひとつのケースで収納できるようになった点で、やっと問題解決ができた。より積極的にApple Pencilを活用してほしい、という意思表示とも受け取れた。

iPad Proは、秋に「化ける」

キーボードと組み合わせればMacと同じような感覚で使えるようになる(筆者撮影)

iPad Proは6月13日に発売。先代となる9.7インチモデルから、「古くなったPCの買い替え需要を狙う、メインとして利用できる新しいコンピュータ」というコンセプトを掲げており、今回のiPad Proでもそれを引き継いで行くことになる。

【6月13日17時55分追記】初出時に「6月23日発売」とあったのは誤りです。訂正してお詫びいたします

iPad Proには、メモリ4GB(ギガバイト)を搭載する6コア化されたA10X Fusionプロセッサを搭載し、iPad Pro 9.7インチモデルと比較し、処理能力が1.8倍、グラフィックスも1.7倍に性能が向上した(筆者所有デバイスでのベンチマークテストによる)。

また、搭載するストレージも、64GBを基本とし、最大512GBのモデルまで用意し、もはやタブレットがスペックの面でPCやMacに劣る存在ではなくなった。

加えて、2017年秋に無料でアップグレードできるiOS 11には、iPadをまったく別のものに化けさせる、大きな変化が含まれている。

WWDC 2017で披露し、開発者向けに配信が始まった新OSでは、iPadにもMacのように作業環境を複数切り替えられる「Spaces」が導入され、画面分割の組み合わせごと保存できる。つまり、アプリの切り替えではなく、作業や仕事を切り替えることができるようになる。

また、両手の指を使った高度な操作方法を実現したり、ファイル管理のアプリを新設するなど、ソフトウエア面でもPCやMacで慣れた操作性を、タブレットで実現するようになる。

非常に高度な処理性能、魅力的なディスプレー、そして秋以降配信されるソフトウエア。この3つの組み合わせは、iPad Proを、パソコンの補助的な存在として見られてきたタブレットから、メインマシンへと引き上げることになる。

新しい仕事道具へと進化するiPad Proの虜になる人も少なくないはずだ。

松村 太郎 ジャーナリスト

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まつむら たろう / Taro Matsumura

1980年生まれ。慶應義塾大学政策・メディア研究科卒。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)、キャスタリア株式会社取締役研究責任者、ビジネス・ブレークスルー大学講師。著書に『LinkedInスタートブック』(日経BP)、『スマートフォン新時代』(NTT出版)、監訳に『「ソーシャルラーニング」入門』(日経BP)など。

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