アップルが「HomePod」で見せた絶妙な戦略 グーグル・アマゾンと違うアプローチを披露
アップルは米国時間6月5~9日に開催の世界開発者会議「WWDC 2017」で、かねてからうわさされてきたスマートスピーカーを発表した。
この市場は「Amazon Echo」の独壇場となっており、5月にはディスプレーを搭載した「Amazon Echo Show」を発表した。また競合製品を出していたグーグルは、「Google Home」の機能を拡張し、声を聞き分けて情報を出す機能や、通話機能などを搭載。大きな優位性を保持するGoogleアシスタントを武器に、日本市場も視野に入れている。
アップルがそうした流れの中で登場させたのは、「HomePod」というデバイスだ。高さ172ミリ、直径142ミリの緩やかな弧を描くシェイプの円筒形スピーカーで、昔ながらのスピーカーらしい、ファブリック(布)のメッシュで覆われている。色はホワイトとスペースグレイというシンプルな構成だ。
メッシュのおかげで、より「オーディオデバイス」らしい印象を与えてくれるが、その見立てはおおむね正しいものと言える。アップルがHomePodで強調しているのは、「家のスピーカーの再発明」だからだ。
アップルのこだわりは、電源ケーブルにまで及ぶ。HomePodの電源ケーブルも、きちんとファブリックで巻かれた質感の高いものが採用されていた。
オーディオ機能を強調する理由
HomePodには、7つのツイーター(高音用スピーカー)、と豊かな低音を作り出すウーハー、そして6つのマイクが内蔵されている。
「マイクが内蔵されている」と聞いて、Amazon Echoのように、部屋のどこからでも音声で話しかけられると思われるかもしれない。もちろんそれも可能だが、アップルは部屋の環境の認識のためにも、このマイクを使う。
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