「メールのトラブル」を減らす書き方のコツ 必要な情報をあらかじめ盛り込んでいますか

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また、署名スペースを使って、ちょっとした自社PRをすることもできます。署名の上下どちらかで、「新商品の発売情報」や「新規入会キャンペーンの案内」などのお知らせをするのです。

ただし、PRのしすぎは読み手をイラッとさせてしまいかねないので、署名と合わせて10行以内、多くても15行以内に収まるようにしましょう。

「相手にとって本当に便利な情報」を見極めて、署名に盛り込んでみてください。

この情報で相手の「勘違い」を防げる

メールのやりとりの中で「ちょっとした勘違い」が生まれることがよくあります。

たとえば、社外の人と打ち合わせの日程を調整していて、相手に間違って日付が伝わっていたということがありませんか? こちらが正しい情報を書いていても、相手が別の日と早合点したり、手帳やカレンダーに転記する際に間違えてしまったり。それでも、書き手が情報の出し方を工夫することで、勘違いを防ぐことが可能です。

『イラッとされないビジネスメール 正解 不正解』(サンクチュアリ出版)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

相手に日程を伝える場合、必ず「日付」と「曜日」をセットで書くといいでしょう。

仮に、「7月2日」と「7月20日」だったら見間違いも起きやすいでしょうが、「7月2日(日)」と「7月20日(木)」でしたら、曜日を確認するため、勘違いがぐんと減ります。単純なことですが、これも「必要な情報」の1つといえます。

ほかにも、勘違いが起きやすい場面はあります。たとえば会社の拠点が2カ所あり、訪問先を間違えるようなケース。もし、「A館とB館があり、B館が目立たない位置にある」ときは、次のような情報を盛り込んでみてください。

■場所:弊社B館セミナールーム
なお、大通りから見える目立つ建物はA館です。今回のセミナーは、大通りの交差点を左に曲がった先のB館で開催されます。

 

また「氏名の読みや漢字が一般的なものと違う」などで誤解を生みやすいケースは、次のように情報を補完してみてください。

講師をお願いするのは樋口太市先生です。樋口先生のお名前は「太いに市」ですので、配布資料では誤字に注意してください。

 

必要な情報がそろったメールは、やりとりの回数と勘違いを劇的に減らします。仕事全体のスピードアップにもつながりますので、面倒くさがらず、相手が必要な情報を洗い出してみるといいでしょう。

平野 友朗 日本ビジネスメール協会代表理事、アイ・コミュニケーション代表取締役

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ひらの ともあき / Tomoaki Hirano

1974年生まれ。筑波大学人間学類(認知心理学)卒業。広告代理店勤務を経て2003年にメルマガコンサルタントとして独立。2004年、アイ・コミュニケーション設立。2013年、一般社団法人日本ビジネスメール協会設立。ビジネスメール教育の第一人者として知られ、メールマナーに関するメディア掲載400回以上、著書26冊以上。メールを活用した営業手法には定評があり、メールとウェブマーケティングを駆使して5000社の顧客を開拓。メールスキル向上指導、組織のメールに関するルール策定、メールの効率化による業務改善や生産性向上などを手がける。官公庁や企業などへのコンサルティングや講演、研修回数は年間120回を超える。著書や監修本には『仕事が速い人はどんなメールを書いているのか』(文響社)、『カリスマ講師に学ぶ! 実践ビジネスメール教室』(日経BP社)、『誰も教えてくれなかった ビジネスメールの書き方・送り方』(あさ出版)、『短いフレーズで気持ちが伝わる モノの書き方サクッとノート』(永岡書店)などがある。(一般社団法人日本ビジネスメール協会 http://businessmail.or.jp/

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