脱北エリートが語る「北朝鮮の体制転換」3条件

内実を知るテ・ヨンホ氏に独占インタビュー

メディアのニュースだけではわからない、北朝鮮の「いま」とは?(写真:AP/アフロ)
 歴代韓国大統領の補佐官を務め、駐日大使、駐英大使などを歴任した、国際的に高い評価を受ける羅鍾一教授の著書『粛清の王朝・北朝鮮―金正恩は、何を恐れているのか』を翻訳出版した“グローバル・エリート”ことムーギー・キム氏が、北朝鮮の内実を知るキーパーソンに独占インタビューを行った。相手は、昨年、韓国に亡命した元北朝鮮外交官(駐英大使館公使)のテ・ヨンホ(太永浩)氏。
北朝鮮だけ、なぜ改革できないのか? なぜ指導者層で、大粛清が繰り返されるのか? 暴発寸前の金正恩に対し、どう対応すればいいのか? メディアのニュースだけではわからない、北朝鮮の「いま」がわかる貴重な証言を紹介する。

極めて重要な人物にソウルで独占インタビュー

『粛清の王朝・北朝鮮―金正恩は、何を恐れているのか』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします)

「金正恩は、権力を手放さなければならないなら、国もろともどころか、地球もろとも、道連れに滅びるのがいいと思っている。実際、歴史をひもとくと、負けるのがわかっていても国を道連れにして戦いを続けた独裁政権は数多くある」

「北朝鮮に先制攻撃をするなら、次の条件を満たす必要がある。つまり、1度の先制攻撃で、北朝鮮が反撃できないくらいすべての戦闘能力を破壊するということだ。しかし、それは不可能だ」

「4月25日の朝鮮人民軍創建記念日に、核実験ではなく、史上最大級の砲撃演習を行った。一部の外国メディアは、『核実験を北が自制した』などと書いていたが、本質をとらえていない。あれは、『お前たちは1度にこれらすべてを破壊することはできない。よって、先制攻撃はできない』というのが真のメッセージだ。北朝鮮は、アメリカが何を言ったところで、先制攻撃できないことを知っている

これは、私が5月27日、滞在しているソウルで、なんとビックリ、昨年北朝鮮の英国大使館を脱北した、外交官として史上最高ランクの“脱北高級官僚”、テ・ヨンホ氏との独占インタビューを行ったときの、印象的な一言だ。

次ページ暗殺リスト第1位とも言われる重要人物だ
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