「それにつけても、おやつはカール♪」
カールおじさんとその仲間たちによる「おらが村」を舞台にした愉快な光景と、耳に残るメロディが特徴的なテレビCMを知らない人は少ないだろう。明治「カール」。トウモロコシを原料に油で揚げずにつくるスナック菓子だ。日本では「お菓子=甘いもの」というイメージがあった1968年に、画期的な商品として登場。以後、ロングセラー商品となっている。
そのカールをめぐる衝撃的なニュースが入ってきた。カールを生産・販売する明治は5月25日、「カールうすあじ」「カールチーズあじ」の全国販売をやめ、西日本地域のみの販売に切り替えると発表した。8月生産分をもって福井県、岐阜県、三重県よりも東の地域ではカールが店頭に並ばなくなる。「カールカレーあじ」「大人の贅沢カール」「小つぶカール」については全国的に生産・販売をやめる。
現在、国内5拠点(山形県上山市、埼玉県坂戸市、静岡県藤枝市、大阪府高槻市、愛媛県松山市)の工場に分散している生産も愛媛にある子会社、四国明治の松山工場(松山市)に一本化するという。
なぜ東日本だけ販売をやめるのか
カールはピークの1990年代に小売りベースで年間約190億円の売り上げを誇ったときもあったが、直近は同60億円程度と3分の1程度まで縮小。生産・販売体制の見直しが必要になったようだが、なぜ東日本だけ販売をやめるのか。逆に西日本では販売を継続するのか。
明治によれば「東日本と西日本で売り上げ比率は同等。実はカールそのものをやめるという話もあったが、多くのお客様にご愛顧をいただいている代表的なブランド。生産・物流コストなどをはじめとする収益性を重視して、存続できるシナリオを探った結果、愛媛に生産を一本化し、西日本地域のみで販売するシミュレーションが最適だと判断した」(明治広報グループ)。
ただ、興味深いデータがある。筆者は、5000万人規模の消費者購買情報を基にした全国標準データベース「TRUE DATA(R)」を使って、主要な全国のスーパーマーケットのPOSデータを調べてみた。具体的にどの地域で、何を、いくつ買ったかを示すものだ。
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