鉄道広告の募集資料で見える「路線の特徴」 年収や学歴の高さをアピールする鉄道会社も

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山手線の新型車両E235系に設置されたデジタルサイネージ(撮影:風間仁一郎)

駅に掲げられている広告の数々。最近は、動画も使用できる「デジタルサイネージ」が主要駅で目立つようになってきている。電車の中吊り広告も、目立つ週刊誌の広告をはじめ、自社沿線施設の案内やおトクなきっぷの案内など幅広い内容で、スマートフォン全盛の現在でも重要な乗客の情報源となっている。

鉄道会社はこれらの広告枠を売り出すにあたって、それぞれの路線の強みやどのような利用者層が多いかなどを資料としてまとめている。「媒体資料」といわれるものだ。各社が駅や車両などを広告媒体としてアピールしたいポイントがまとめられたその資料は、路線ごとの利用者層や沿線の違いを見るうえで役に立つはずだ。

それでは、首都圏各鉄道会社の媒体資料から、各社がどんな部分を自社路線の特徴としてアピールしているのかを見てみよう。

ボリュームが売りのJR東日本

まずはJR東日本だ。同社の駅広告・列車内広告の媒体資料は、JR東日本の子会社である「ジェイアール東日本企画」のホームページに掲載されている。同社はJR東日本の強みとして、「首都圏鉄道利用者の71.5%(1208万人)がJR東日本を利用」と記している。同資料によると、私鉄利用者は64.2%、地下鉄利用者は47.7%であり、そのボリュームの大きさがわかる。首都圏に広がる路線網がもたらす利用者の多さを特徴として打ち出しているわけだ。

この媒体資料によると、首都圏におけるJR東日本の1週間延べ利用者数は9389万人にも達するという。強みとしてもう1つ掲げているのが「日常的・反復的な広告訴求」だ。毎日の通勤・通学による反復はもちろん、複数の路線で何度も同じ広告を見ることによって広告の効果が高まることを訴えている。JR東日本の場合は、なんといっても首都圏鉄道利用者の大半をカバーしているという点が大きな売りなのだ。

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