ディズニーの「展覧会」が圧倒的にスゴイ理由 「マーベル展」には日本独自の仕掛けがあった
東京・六本木ヒルズ。4月6日から「マーベル展 時代が創造したヒーローの世界」が開催されている。アベンジャーズやスパイダーマンなどアメコミ(アメリカンコミック)ヒーローで知られるマーベルの世界観を紹介する、日本初の総合展覧会だ。
会場の入り口では高さ5メートルのアイアンマンがお出迎え。1939年発行の『マーベル・コミックス』第1号から、今夏公開予定の映画『スパイダーマン』のプレビュー映像まで、マーベルの歴史を総まくりできる。ビンテージ物のコミックス、映画で使用された各ヒーローのコスチュームや小道具など、約200点が展示される。
出版部門を統括するシニアバイスプレジデントでマーベルのキャラクターを熟知するトム・ブリーヴォート氏は「マーベルユニバース(世界観)の全体像を見てもらえる初めての展覧会。1941年に描かれたオリジナルのアートワークなどは、僕自身も見たことはなかった」と興奮気味に語る。
記者も4月下旬、マーベル展をのぞいたが、想像以上に若い世代の来場者が多かった。会場には1人で展示物に見入る女性の姿もあった。
仕掛け人はディズニーの日本法人
マーベルは現在、アニメーションスタジオの「ピクサー」、スターウォーズの「ルーカスフィルム」と並んで、米ウォルト・ディズニーの一員だ。買収によって傘下入りしたのは2009年。『アベンジャーズ』『ドクターストレンジ』など、マーベルの映画が最近増えた背景には、こうした事情もある。
実は今回の展覧会を仕掛けたのも、ディズニー側、正確には日本法人のウォルト・ディズニー・ジャパン(以下ディズニー)だ。「マーベルにとっては日本での浸透度をどう高めるかが課題だった。そんな時に、このマーベル展をディズニーが提案してくれた。スパイダーマンがマスクを取ると普通の高校生に戻るように、われわれも仮面を取って真の姿を見せれば、マーベルをもっと理解してもえると思った」(マーベルのバイスプレジデント、C.B.セブルスキー氏)。
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