ゴルフ人気復活のカギが「練習場」にあるワケ 国内ゴルフ人口は10年で3割近く減少

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このまま手をこまぬいていては、ゴルフ市場は先細りしていくだけだ。そうした危機感から、ゴルフ界も近年、ネット企業と組むなどして若者向けの施策を積極化させてきている。

ゴルフ練習場に若者を呼び込むために

若い世代を取り込む試みとして、2014年に「日本ゴルフ用品協会」や「全日本ゴルフ練習場連盟」など各ゴルフ業界団体がリクルートライフスタイルと組んで始めたサービスが「ゴルマジ!」である。19~20歳に限って、サービスに参加しているゴルフ練習場で30分間(50球)、無料で楽しめる。「タダでゴルフができる」ことを呼び水に、練習場に足を運んでもらう取り組みだ。2014年には180施設でしか利用できなかったが、2016年には全国の練習場の7%強に当たる240施設がこの取り組みに参加している。

これ以外にも、楽天のゴルフコース予約サービス「楽天GORA」では18~29歳を対象に、練習場で使えるスマホ向けクーポンを発行。ゴルフコース・練習場運営大手のアコーディア・ゴルフでは「アコーディア キャンパスゴルフ」と銘打ち、ゴルフサークル所属の大学・短大生を対象に1時間800円で練習場での打ち放題を提供している。

昨年のリオ五輪に続き、2020年の東京五輪でもゴルフが正式種目に採用されている。五輪というビッグイベントに合わせて、若い世代のゴルフ体験を増やす施策を次々に打ち出すのは有効な手段となりうるだろう。

国内ゴルフ市場の再活性化は決して簡単ではない。だが、まずは、これから始めようとする人や初心者にとって、いちばんのタッチポイントであるゴルフ練習場の活気を取り戻すのが重要なのは間違いないことだ。

嶋崎 平人 ゴルフライター

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しまさき ひらと / Hirato Shimasaki

1976年ブリヂストン入社。1993年からブリヂストンスポーツでクラブ・ボールの企画開発、広報・宣伝・プロ・トーナメント運営等を担当、退職後、ライターのほか多方面からゴルフ活性化活動を継続。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。

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