「説明が下手な人」にありがちな残念な伝え方 「あれもこれも……」と欲張ってはダメだ
「説明」は、どこまですればOKなのか?
「なぜ、うまく説明できないのか?」
その理由はもちろん挙げていけばきりがありません。ただ、そのなかでも特に重要なポイントとして「網羅性」と「代表性」があります。
突然ですが、1つ質問をさせてください。
「『クルマの機能』といえば、何を思いつきますか?」
ご自分なりの答えを考えてから、読み進めてくださいね。
……私自身もそうですが、「自動車業界」の出身者は、この質問に対してほぼ金太郎アメのように「走る、曲がる、止まる」の3つだ、と答えます。
たしかに「走る」ための動力装置(エンジン)と、その動力を「曲がる」という観点で制御する操舵装置(ハンドル)、「止まる」という観点で制御する制動装置(ブレーキ)があれば、クルマというモノは成立するといえます。
ただ、本当にこの3つだけかというと、たとえば「運ぶ」という機能も選択肢としては考えられるでしょう。あるいは、電気を「溜める」機能も注目されていますし、これからは「つながる」という、IoT的観点をふまえてクルマを再定義する動きもあります。
要するに、クルマの機能について本来はほかにもいろいろとあるわけです。「走る、曲がる、止まる」は、クルマの機能を「すべてカバー」しているわけではありません。
ただ、「網羅しているわけではないが、代表的な3つとしてはこれで十分だろう」と誰もが了解しやすいものが、先ほどの「走る、曲がる、止まる」なのです。実際、この話は「自動車の3つの基本性能」といわれ、業界では常識とされています。
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