移動宅配ボックスで荷物が一人でやってくる

ヤマトの「ロボネコ」で物流危機は解決するか

「ロボネコ」プロジェクトを発表したヤマト運輸。”移動宅配ボックス”は宅配クライシスを解消できるか(写真:Rodrigo Reyes Marin/アフロ)

あなたのところに荷物が一人でやってくる――。まもなくそんな時代が来るかもしれない。時間帯を10分刻みで指定、望んだ場所に、自動運転車が宅配ボックスに入った荷物を届ける。自分は無人のクルマから荷物を受け取るだけだ。

ヤマト運輸とDeNAは4月16日、「ロボネコヤマト」プロジェクトを発表した。4月17日から来年3月31日まで、国家戦略特区になっている神奈川県藤沢市の鵠沼海岸などで実証実験に取り組む、次世代物流サービスである。柱となるのは、「ロボネコデリバリー」「ロボネコストア」の2つのサービスで、きたるべく自動運転社会を見据えている。

中でも「ロボネコデリバリー」は、専用EV(電気自動車)に宅配ボックスを設置したもので、利用者が希望する時間帯・希望する場所で荷物を受け取ることのできるサービスだ。時間帯は10分刻みで指定でき、自宅以外に最寄りの駅や会社でも受け取り可能。荷物の到着3分前にはスマートフォンなどに自動音声で知らせてくれる。将来は自動運転車を想定しているが、実験段階では有人運転で行う。

マンションの宅配ボックスは常に満杯

これが本当に実現した時点で、現状のような、ドライバーが運転して各家庭に届ける宅配は一変しよう。荷物を積んだ自動運転車が来れば、利用者は自分で車内専用の保管ボックスを開けて、取り出せばよい。マンションや戸建てに固定されている、従来の宅配ボックスの概念も覆る。いうなれば”移動宅配ボックス”だ。

激増するネット通販や無駄な再配達、慢性的なドライバー不足など、物流業界の「宅配クライシス」を解消しようと、切り札のようにとらえられている宅配ボックスだが、実際には課題も抱える。マンションなどの集合住宅では、ドライバーと居住者の双方から、「宅配ボックスがあっても、いつもふさがっていて利用できない」という声があるからだ。何時間も荷物を取り出さない人がいるからで、設置されていても実際の利用率が低いのが原因だった。

また戸建て住宅にしても、居住者が直接、設置費用を負担しなければならない。1家族だけでは毎日荷物がくるとは限らず稼働効率は劣る。これが移動宅配ボックスであれば、宅配ボックスを不特定多数でシェアするのと同じで、シェアリング・エコノミーの効果も生まれる。

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