カネ、不倫、放言…安倍チルドレンは酷すぎる なぜ国会議員は子どもだらけになったのか

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ただ、かねてから闘病を続ける妻を裏切っての不倫だけに、野党側は「人間として失格」(蓮舫民進党代表)などとして議員辞職を求めている。永田町では「政治資金疑惑に関する続報もある」(自民幹部)とされるため、展開次第では議員辞職も避けられない状況だが、辞職に伴う広島4区での補欠選挙での敗北を恐れる自民党は「何とか時間を稼いで、辞職を防げないか」(執行部)と頭を抱えている。

中川氏は2012年12月の衆院選で初当選した「安倍チルドレン」。民主党政権への国民の不信が爆発して自民党への政権再交代につながった歴史的な選挙で、119人の新人議員が誕生した。公募で当選した「風頼りの落下傘議員」が目立ったが、2年後の衆院選も"安倍ブーム"が継続していたため、9割近くが当選2回となった。ただ、「地道な選挙活動より好き勝手に行動」(自民長老)する議員が多く、次々に不祥事を起こす原因ともなっている。

「未公開株」「ゲス不倫」「おんぶ視察」と続々

時系列でみると、最初にスキャンダルを起こしたのは武藤貴也氏(37)=滋賀4区=だ。2015年に「知人に未公開株の購入を持ち掛け、金銭トラブルになった」との週刊誌報道を受けて離党に追い込まれた。

さらに2016年には宮崎謙介氏(36)=京都3区=が「妻の妊娠中の不倫」発覚で議員を辞職した。同氏の妻は当選同期の金子恵美氏(39)で、夫として「国会議員で初の育休をとる」と宣言して"イクメン議員"としてもてはやされただけに、同時期の有名芸能人の「ゲス不倫」事件とも絡めた激しいバッシングの中、「涙の記者会見」で辞職を表明。これを受けた京都3区の補欠選挙では自民党が不戦敗を強いられた。

そのあともチルドレンの不祥事は続き、2016年9月には内閣府政務官兼復興政務官の務台俊介氏(60)=長野2区=が台風の被災地を視察した際に長靴を持参せず、政府職員に背負われて水たまりを渡って厳しく批判されたのに、今年3月になって「たぶん長靴業界が儲かったのでは」など放言したため政務官辞任を余儀なくされた。

また、安保法制の審議がヤマ場に差し掛かっていた2015年6月には大西英男氏(70)=東京16区=が安保法制に批判的な報道機関について「懲らしめなければいけない」などと暴言を繰り返し、党執行部から厳重注意処分を受けた。

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