長島氏離党にみる民進党の「終わりの始まり」

執行部激怒、衆院選の「刺客」に蓮舫代表も

4月10日民進党に離党届を出した長島氏(写真:共同)

発足1年を迎えたばかりの民進党から長島昭久元防衛副大臣が離党し、蓮舫執行部が大混乱に陥った。

同党で初の離党者となった長島氏は、昨年9月の代表選への出馬も模索した党内保守派のリーダー格。「共産党との共闘は容認できない」と"三下り半"をたたき付け、「重大な反党行為」と激怒した党執行部は同氏の除籍処分を決めた。「追随者を防ぐための厳しい措置」(執行部)だが、党内には「離党予備軍は相当数存在する」(保守派有力議員)のが実態だ。「真の保守」の構築を目指して、当面は無所属で活動するという長島氏に対し、自民党や日本維新の会からは「一緒にやりたい」との秋波も送られる。

また、長島氏の離党と同じタイミングで同党代表代行の細野豪志元環境相が月刊誌に憲法改正私案を発表した。改憲をめぐる執行部への不満が背景にある。相も変わらず「党内バラバラ」の醜態をさらしたことで、「森友疑惑」で安倍1強政権が動揺する中でも民進党支持率の低迷が続き、国民からは「政権の受け皿」としての資格も否定されつつある。前身の民主党結党から21年、長島氏の離党が「民進党の終わりの始まり」との見方も広がる。

長島氏、「真の保守」求め小池新党との連携も

長島氏が離党を決断したのは3月末。民進党議員を中心とする「長島グループ」(国軸の会)の会合で「一人で離党する」と了解を求めた。出席者の多くは慰留したが「決意は固かった」という。

長島氏は4月10日午前に国会内で野田佳彦幹事長と会い、離党届を提出した。「私の居場所がなくなった」と訴える長島氏に対し、野田氏は「なぜ今なのか」と不快感を示し、長島氏が比例復活組であることから「議員辞職が筋ではないか」と詰問したが、長島氏は「そのつもりはない」と離党届を置いて退出。そのあと国会内で記者会見した長島氏は「共産党との選挙共闘という党方針は受け入れがたい」と離党の理由を説明したうえで、「消費税やTPP(環太平洋経済連携協定)、憲法改正などの基本政策への党の対応方針にまで共産党が影響を及ぼす場面が目立つ」と批判した。

これに対し、蓮舫代表は「野党選挙共闘は党大会で承認された党の方針だ」と反論。長島氏の離党については、11日午後の党常任幹事会で「東京都議選(7月2日投票)の選挙を取り仕切る党都連幹事長としての職務を放棄する背信行為」として除籍処分とすることを決め、党倫理委員会に諮問した。同党内には厳しい処分への慎重論もあったが、「今頃何を言っているのか」と怒る執行部からは「次期衆院選では長島氏の『刺客』として蓮舫代表を立てるべきだ」(選対幹部)との声も出ているという。

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