東芝の危機が映す「日本的経営」の根本的弱点

終身雇用の派閥争いが閉塞感と危機を呼ぶ

16万人の社員を抱える巨艦はどこへ向かうのか(写真は東芝の府中事業所、撮影:富田 頌子)

激動の時代の変化についていけなかった象徴

時代の変化は激しく、その変化についていけない企業は、どんなに大企業であろうと経営危機に陥る。日本を代表する「東芝」の経営危機も、まさに激動の時代の変化についていけなかった象徴といっていいだろう。

東芝は米国でいえば「ゼネラル・エレクトリック(GE)」のような存在であり、日本を代表する大企業だ。そのGEは1980年代から1990年代にかけて家電事業を売却して、製造業から金融事業や放送事業へと事業を拡大させ、時価総額世界第11位という規模にまで成長させた。その点、東芝は不適切会計や海外の原子力事業で巨額損失を発生させて、いまや上場廃止にまで追い込まれようとしている。

こうした東芝のケースを見るまでもなく、最近の日本企業、とりわけ伝統のある大手企業が次々と経営破綻の危機を迎えている。「シャープ」の身売りはまだ記憶に新しいが、2009年3月期に史上最大の7873億円の最終赤字を計上した「日立製作所」のケースもあった。「ソニー」も長い間経営危機報道が流れ続けた。

幸い、日立やソニーは何とか乗り切った形だが、台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業に買われたシャープの未来は不透明だ。東芝も、収益の大黒柱ともいえる半導体事業の売却を迫られている。日本の製造業を牽引してきた企業が、なぜか立て続けに経営危機に陥ってきた。

そこには、時代の変化もむろんあるが、日本特有の企業風土や産業構造が深くかかわっていると言わざるをえない。言い換えれば、東芝の経営危機は「日本病」といえるのかもしれない。

実際、日本企業の何が問題なのか。まずは、今回の東芝の経営で何が問題だったのかを考えてみよう。

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