異例づくしの東芝、本決算を乗り切れるのか

監査法人は「意見不表明」、決裂は決定的

4月11日、”異例”の第3四半期決算発表後、足早に会見場を後にする東芝の綱川智社長(撮影:尾形文繁)

監査意見不表明−−。4月11日、東芝の決算監査を務めるPwCあらた監査法人と東芝の監査委員会との決裂が決定的になった。決裂した以上、このままの状態で、PwCあらたが2017年3月期本決算で適正意見をつけることはありえない。

監査法人がつける監査意見は4つ。適正意見、限定付き適正意見、意見不表明、不適正意見だ。意見不表明は、重要な監査手続きができず、決算が正しいかどうか判断できない場合を意味する。

内部通報以前から調査は始まっていた

暮れも押し迫った2016年12月27日。東芝は「巨額損失の計上の可能性」を発表した。監査委員会の佐藤良二委員長は「調査中である」として奥歯に物が挟まったような物言いに終始したが、2015年12月に米原発子会社ウエスチングハウス(WH)が買収した米原発建設子会社ストーン&ウェブスター(S&W)のせいで巨額損失が出るということだった。

今回明らかになったのは、翌28日にすでにPwCあらたと東芝は監査委員会による内部調査の開始について合意していたということだ。これまでは「WHの経営幹部から不適切な圧力を受けた」という内部通報が1月8日にあり、それが調査の起点という説明だった。が、調査の起点はあくまでも巨額損失の発表日だった。しかも、調査の問題意識は最初から「2016年第3四半期以前に巨額損失の原因があったのではないか」という点にあった。

そして1月8日の内部通報を受けて、東芝の監査委員会は調査を追加した。2月10日、これら2つの「調査報告書案」を東芝が提出すると、PwCあらたは「東芝の経営者にまで調査範囲を広げるべきだ」と追加調査を東芝に求めた。

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