管理職にならない働き方を推奨する会社も・・・
管理職になることを「ネガティブ」にとらえる人が増えた……という話をよく耳にするようになりました。
すでに管理職として活躍中の人には「管理職になれない人の言い訳にすぎないのでは」などと辛辣な意見を言う人もいますが、管理職への登用を打診しても「断る」社員がいるくらいに、ネガティブ派が増えたのは本当のようです。取材した大手食品メーカーの人事部長は、
「管理職になることが社員のモチベーションになるという前提を見直し、社員の処遇を考えなければならない時代になりました」
と答えてくれました。ただ、ネガティブ派が増えたのは会社の責任でもあります。かつて、管理職へ登用の「速さ」を社内の人事評価の高さだととらえることはよくありました。周囲も「あいつは同期でいちばん早く管理職になったから、優秀な人材だ」と認識したものです。ところがバブル崩壊からリーマンショックに至る経済不況で、管理職のポスト不足が慢性化。会社は管理職になれない社員への対処として
《管理職になることだけを期待していません》
といったメッセージを発信するようになりました。なかには管理職になることは大変で、一社員のままで働くこともいいことだよ、と管理職にならない働き方を推奨する会社もあったくらいです。
たとえば、金融機関では支店長になるまでの競争を同世代の行員が行い、なれない行員は社外に出向するといったことはよくありました。ところが、バブル崩壊以降は支店長にならない行員が出向せずに行内に残ることも普通になりました。
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