パナソニック改革、成長ストーリーは本物か

自前主義から脱却、外部との連携に賭ける

 4月6日、パナソニックが構造改革を加速させている。自前主義からの脱却を掲げ、外部企業との連携を強化。PMI(買収後の統合作業)や人事政策では新たな動きも見せ始めた。写真は都内で2月撮影(2017年 ロイター/Kim Kyung Hoon)

[東京 6日 ロイター] - パナソニック<6752.T>が構造改革を加速させている。自前主義からの脱却を掲げ、外部企業との連携を強化。PMI(買収後の統合作業)や人事政策では新たな動きも見せ始めた。しかし、目に見える成果はまだ表れず、市場はパナソニックの成長ストーリーが本物かどうかを見極めようとしている。

「これまでパナソニックのPMIは『ああしろ、こうしろ』だった。今回は相手がしてもらいたいことをしようというところから入った」──。

テスラやフィコサ出資でBtoBにシフト

パナソニック・アプライアンス社カンパニー戦略本部食品流通事業推進室の富永弘幸室長(取材当時、現コールドチェーン事業部上席主幹)がこう話すのは、1年前に15億4500万ドル(約1854億円)で買収した米業務用冷凍・冷蔵庫大手ハスマンのことだ。

ハスマンは1906年創業の専業メーカー。米国業務用冷凍・冷蔵庫市場ではヒル・フェニックスに次ぐ第2位のシェアを誇り、2015年の売上高は約11億ドル。従業員数は約6000人。

総合電機メーカーとして消費者と向き合うことが多かったパナソニックにとって、ハスマン買収は米電気自動車大手テスラ<TSLA.O>との協業やスペインの自動車部品大手フィコサへの出資とともにBtoBシフトの象徴のひとつでもある。

津賀一宏氏が社長に就任する直前の2012年3月期、パナソニックは世界的な景気低迷や円高の影響を受け、大幅な減収・減益決算にあえいでいた。大規模な構造改革を余儀なくされるなか、最終損失は7721億円と過去最大の赤字となり、まさに生きるか死ぬかの瀬戸際まで追い込まれていた。

危機的な状況のなか、社長に就任した津賀氏が打ち出したのが、価格競争に陥りやすい消費者向け(BtoC)事業から長期にわたり安定した取引が見込める企業向け(BtoB)事業への転換だ。止血から成長へと舵をきった津賀社長は、各事業を高成長事業、安定成長事業、収益改善事業の3つに分類。市場成長率や業界平均の営業利益率が高い食品流通事業を高成長事業と位置付けた。

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