無料放送局の「BS11」は地方でウケている

民放地上波とは異なる発想で番組を編成

生放送歌番組で地方のシニア層に訴求を図る(写真:BS11)

「BS11」は1999年に設立、2014年3月に上場を果たした無料のBS放送局だ。同社は4月の番組改編にあたって「昭和・歌謡・歴史・紀行」というキーワードを打ち出した。民放BSの視聴者の約6割を占める60代以上をターゲットに、視聴率が上昇する夜8時台に新番組を積極投入する。

紀行番組「京都浪漫」や「尾上松也の謎解き歴史ミステリー」のほか、今回最も力を入れるのが、地上波のテレビ放送では珍しくなった生放送歌番組「あなたが出会った昭和の名曲」だ。

地上波で生放送歌番組が減った背景には、音楽機材、セット、多くのスタッフが必要で番組制作費がかさむ割に視聴率が取れなくなったことがある。音楽を聞きたければ動画配信YouTubeで見るという若年層も多い。だが、シニア層は今もテレビを視聴しており、音楽に関してもテレビ放送で親しんできた。

実際、昨年4月に開始した「あのスターにもう一度逢いたい」は、美空ひばりや島倉千代子、三波春夫といった往年のスターの昔の映像を見ながら、ゲストが当時のエピソードや昭和の世相について語るという番組で「制作費は結構かかるが視聴者が付いている」(編成局長の二木啓孝取締役)という。

夜の報道番組を早い時間帯に放送

BS11は、独立系民放局としては異色で独自の報道部門を持つ。この報道局の力を結集した生放送番組「報道ライブ INsideOUT」は、平日の夜8時59分にスタートする。地上波の民放各局が生放送報道番組でしのぎを削る23時台から2時間も早い。

その理由について二木氏は、「BS放送の視聴者は地方在住のシニア層が多いため」と語る。地上波の報道番組は、都心で働く会社員のライフスタイルを想定して番組編成を行っている。こうした人たちは、帰宅後、就寝までの時間にゆっくり1日を振り返るタイミングとして23時台がベストだ。一方、地方在住のシニア層の就寝は都心で働く会社員より早い。「報道ライブ INsideOUT」は昨年4月の番組開始時は夜10時台の放送だったが、中心視聴者層のライフスタイルを考慮して昨年10月に放送時間を繰り上げたという経緯がある。

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