GE、シーメンスVS日立製作所 真の勝者は誰か――総合電機徹底比較【海外編】

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一方で、医療やエネルギー、インフラ分野では積極的な買収を仕掛けてきた。前述のNBC切り離しによる資金はエネルギー関連企業の取得に振り向けられた。最近では伊アヴィオ社から航空関連事業を43億ドルで買収したばかりだ。

11あった事業分野は、大きく分けてエネルギーや航空、ヘルスケアなどから成るインフラ事業と、GEキャピタルが担当する金融事業の二つにほぼ集約されている。「ポートフォリオは近年で最強となった。この10年でGEは産業コングロマリットからインフラ業界のリーダーに転換した」(イメルト会長)。

利益率は12年度に15%強となった。2ケタ乗せに足踏みする日立からすれば、その背中は遠い。それでもイメルト会長は飽き足らず、昨年、米国以外の成長を加速させることを目的に「グローバル・グロース&オペレーション(GGO)」なる新組織を立ち上げた。

イメルト会長は、「利益率はすでに産業界全体のトップに立っているが、一層の成長は可能だ」と言ってはばからない。グループには約850億ドルのキャッシュがあり、新規投資の余地は大きい。M&Aに加え、がん治療法の開発には短期で10億ドルを投資するなど積極果敢だ。

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