日経平均は円高警戒で続落、内需関連は堅調 日銀の「ETF買い観測」も相場を下支え

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 3月21日、東京株式市場で日経平均は続落した。18日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明から反保護主義の文言が削除されたことを嫌気し、ドル安・円高が進行。主力輸出株に売りが先行した。写真は都内で2015年4月撮影(2017年 ロイター/Issei Kato )

[東京 21日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は続落した。18日に閉幕した20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議の共同声明から反保護主義の文言が削除されたことを嫌気し、ドル安・円高が進行。主力輸出株に売りが先行した。米長期金利の上昇一服で保険など金融株も軟調だった。下げ幅は一時180円を超えたが、内需関連銘柄への継続的な買いなどを支えに下げ渋る展開となった。

TOPIXも続落。セクター別では、証券、倉庫・運輸、保険の下落率が大きかった。半面、任天堂<7974.T>の活況により、その他製品の上昇率がトップ。食料品、水産・農林がこれに続いた。

1ドル112円台前半まで円高が進み、輸出企業の採算悪化を懸念した売りが出た。だが、ディフェンシブセクターへの押し目買いや円高一服を背景とした外需大型株の一角への買い戻しにより、一時36円安まで下げ幅を縮めた。日銀のETF(上場投資信託)買いの観測も投資家心理を下支えした。

午後には一段とこう着感が強まり、後場の値幅(日中の高値と安値の差)は約39円だった。

ソシエテ・ジェネラル証券ディレクターの杉原龍馬氏は「金融株が下落し内需株が買われ、トランプ相場の巻き戻しが続いているような状態だ。日米欧とも材料不足で、グローバルで材料探しをしている。米長期金利が下落基調を強めるのか、再び上昇に転じるのかは注目どころ」と話している。

個別銘柄では、タカタ<7312.T>が6日続落。同社に対し取引先の自動車メーカーが法的整理の債権者申し立てを検討していることが17日に分かったと、共同通信が同日夜に報じた。これまでタカタに法的整理を求めてきたが、同社側は拒否しており、強硬策を視野に入れるとしている。報道を嫌気した売りが出た。

半面、住友不動産販売<8870.T>がストップ高で引けた。住友不動産<8830.T>が17日、連結子会社である住友不動産販売に対し、1株3600円で株式公開買い付け(TOB)を実施すると発表した。買い付け代金は約609億円。買い付け期間は21日から5月1日までで、完全子会社化を目指す。

東証1部騰落数は、値上がり991銘柄に対し、値下がりが862銘柄、変わらずが156銘柄だった。

日経平均<.N225>

終値     19455.88 -65.71

寄り付き   19416.55

安値/高値  19337.22─19485.14

 

TOPIX<.TOPX>

終値       1563.42-2.43

寄り付き     1560.62

安値/高値    1555.96─1565.92

 

東証出来高(万株) 159718

東証売買代金(億円) 20396.95

 

 

(辻茉莉花)

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