トランプ大統領は、実は演説に超必死だった これから後も、市場をだませるとは限らない

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トランプ大統領は、歴代大統領のお作法を守ったが、実は必死だった(写真:代表撮影/UPI/アフロ)

「壁」にぶつからなかったトランプ相場

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いやもう、トランプ氏に振り回されるのはこれが何度目だろうか。2月28日夜(日本時間では3月1日午前11時)、アメリカのトランプ大統領が初の議会合同演説(例年ならば「一般教書演説」と呼ばれるもの)に臨む直前、筆者は社内(双日総合研究所)向けに、こんなメモを書いていた。

……「昨年11月9日にトランプ氏の当選が決まってから、日米の株価は大きく上げてきた。しかしトランプ相場もすでに4カ月近い。すでに債券市場では、一時期2%台後半まで上昇していた米国の10年物金利が、昨今は2%台前半まで低下している。つまり彼らは、『トランプ氏がいくら言っても、大規模な減税やインフラ投資は議会を通らない』と見切り始めている。逆に株式市場は『まだまだいける』と思っているのか、高値が続いている。株式市場の楽観と債券市場の悲観が交錯しており、両方が正しいということはあり得ない。そろそろトランプ相場も『米国政治の現実』という壁にぶち当たるのではないかと思う」……。

つまり「議会演説を契機に、さすがのトランプ相場も終焉に向かうのではないか」と考えたわけである。その場合、債券市場の悲観が正しかったことになり、3月1日(水)は、午後から株の暴落が始まってもおかしくはなかった。

思えば昨年6月のブレグジット(EU離脱をめぐる英国民投票)も、同11月のトランプ氏当選(米大統領選挙)も、その瞬間に開いていた先進国の市場は東京であった。いずれも日経平均株価は大幅な下げを体験したわけである。もっとも、その日の終値(1万6251円)は、後から考えたら「絶好の買い場」となったわけだけれども。

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