来年は1ドル=110円前後になっても驚かない

FRBと日銀の「出入口戦略」が、円安を促す

日本はまだ入口に入ったにすぎない(日銀の黒田総裁、撮影:尾形 文繁)

6月11日の定例会見の際、日銀の黒田東彦総裁は、FRB(米国連邦準備制度理事会)の出口戦略について問われ、「日本の場合、まだ入口に入ったばかりである」と答えた。この一言が持つ意義は重い。そう、FRBは出口に向かい、日銀は入口に入った。いや、日銀が入口に入ったからこそ、FRBが出口から出られるのである。FRBと日銀は一体となって出入口戦略を遂行する。これは円安示唆的なポリシーミックスである。 

新興国ブームから、北米ブームへ

過去数カ月、新興国市場が動揺している。筆者が思うに、その端緒は今春、3月にNYダウが、4月にはS&P500指数が史上最高値を更新したことである。2010年代後半はエネルギー革命を核とする北米ブームを控えている。これは1990年代後半のニューエコノミー論に相当するような、世界の一大投資テーマとなるだろう。

一方で、いま振り返ると、1990年代後半は世界的に危機が多発した時期でもある。94年のメキシコ危機に始まり、97年はアジア通貨危機。98年には日本の金融危機、ロシア危機、LTCMショックと続き、それが99年のブラジル危機に発展。変動相場制に移行したレアルの下落は01年のアルゼンチン危機の遠因になった。

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