「本当のお金持ち」は見返りを早急に求めない

結局は「温かい人間関係の構築」に行き着く

長い目で考えられるかどうか。そこが本質です(写真:brostock / PIXTA)
欧米ほどではないが、日本でも広がる貧富の差。そのうち昨今、特に注目の集まるテーマが「貧困」だ。東洋経済オンラインでも貧困に苦しむ人たちの実態を数本の連載で追っている。
一方、貧困世帯の対極には「富裕層」がいる。彼ら、彼女たちはどのようにお金持ちになり、どんな日常を送っているのだろうか。本連載では富裕層ビジネスを知り尽くした筆者が、お金持ちのリアルにフォーカス。その第4回をお届けしよう。
(編集部)

「与えよ、さらば与えられん」を地でいく

東京都港区に在住する勝田秀行さん(69、仮名)はベンチャーキャピタルの経営者だ。高い成長率が見込めそうなベンチャー企業に早い段階から出資し、経営コンサルティングなども絡めて成長を支援。企業価値を高め、株式公開や大手企業への売却などによって利益を得るという事業を手掛けている。

勝田さんは東京大学卒業後、大手通信会社で約30年勤務。ある化粧品会社創業者の長女と結婚し、52歳で同社を辞める直前の年収は2000万円前後で、退職金も3000万円を下らない額だったそうだ。これだけでも一般的なサラリーマンにはうらやましい話だが、独立後にベンチャーキャピタルの運営を始めてからは、さらに収入や金融資産が激増した。

今でこそITやスマホの普及によって技術系のベンチャーが脚光を浴びているものの、勝田さんが独立した2005年前後は、いわゆるベンチャー苦難の時代。資金集めに苦労していたベンチャーが多かった。そんな中、勝田さんの会社は自己資本を中心にしたベンチャー投資でスタートから3年程度で2社を上場に導く。現在の金融資産は奥様の分も含めて数十億円単位に上る。

とても理知的で物静かな性格の勝田さんは、ベンチャーキャピタルを運営するぐらいだからもちろん金融にも明るい。大学時代の同級生には政財官の大物がズラリと並ぶ。そんな勝田さんが最近、旧知の仲である私によく話すのが社会貢献の取り組みだ。

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