栗原類が語る「発達障害の僕が直面した現実」

「空気が読めない」のは本人もつらい

生きていくなかではよいこともあれば、嫌なことも体験します。22年間、生きてきていろいろなことを体験してきました。よいことも悪いことも。でも、それらを忘れることが多かった。僕は、どんなに楽しいと思ったことも、反省すべきと感じたことも、すべては寝たら翌日にコロッと忘れてしまうのです。

しかし、自分がやったことを何もかも忘れてしまうので、自分が昨日起こしたミスを、そのまま翌日また引き起こしてしまうことも多々ありました。

さらに、自分がやったことが悪いことだったという認識がないため、またミスを起こす、という繰り返しになってしまいます。自分が何度も同じミスをするたびに、母には何度も同じことを指摘されて、手間をかけさせてしまいました。

反面、嫌なこともどんどん通り過ぎていき、心的なストレスがかかりにくいというメリットもあります。発達障害には僕のように記憶力がすごく弱いタイプの人もいますが、逆にものすごく記憶力がよくて、物事を映像でとらえてどんどん記憶し、思い出すときは脳内で映画が上映されるように思い出す人や、聞いた話を一字一句頭に入れてしまう人もいます。そういう人達は大概、小さい頃から学校の成績も良くて優秀で褒められて育ってきますが、その反面、嫌なことも忘れられないのです。

周囲に自分のクセを伝え、協力を依頼する

僕の短期記憶の悪さと、外の刺激に弱く脳が疲れやすくて、疲れると眠くなってしまったり人の話が頭に入ってこなくなることなどは、仕事関係者などに早めに伝えるようにしています。たとえば、疲れると集中力が異常に低下してしまう、判断力が鈍って正しく判断ができないことなどは、事前に言っておかないと、結果として周囲に迷惑をかけることになります。ただ、説明しても、すぐには理解されません。

たとえば僕がTVに出始めたころ、「普通の人より体力もなく、刺激に弱いから頭も疲れやすい。疲れると大きなミスにつながる。他人に迷惑をかけずに責任を持って仕事を遂行できる許容範囲がほかの人よりも狭いので、その範囲を逸脱しないよう気をつけてほしい」と、前の事務所のスタッフに、僕と母とでお願いをしてありました。

お仕事をたくさんいただけるのはとてもありがたいことです。せっかくいただくお仕事ですから、どの現場でも迷惑はかけたくない。だからこそ、何でもかんでもいただいたオファーはやらせていただくのではなく、きちんとできる範囲でスケジュール管理をしてほしい。そうでないと、結果としていろんな人に迷惑をかける可能性があるという話をしてありました。ですが、それでも結局仕事をどんどん詰め込まれてしまい、寝てはいけないところで居眠りをしたこともあります。

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