帰りは別路線を使う「電車で初詣」の楽しみ方 新年はふだん使わない駅で新たな発見を

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■西新井大師(東京都)
西新井大師西駅→<西新井大師>→大師前駅

正式名は五智山遍照院總持寺といい厄除け開運のご利益がある。弘法大師が関東に巡錫(じゅんしゃく)した際に開いたとされ「関東の高野山」とも呼ばれる名刹だ。ちなみに「西新井」の名称は、お堂の西側にある井戸が由来とか。

2両編成の電車が往復する東武大師線(筆者撮影)

2008年に日暮里・舎人ライナーが開通した際に「西新井大師西」という面白い駅名の駅ができた。気になって行ってみたことがあるが、西新井大師まで約1キロメートルほども離れており初詣アクセスという点では少し無理があった。駅には不案内の人のために徒歩でのアクセス図が掲示されている。

ここはまず東武鉄道大師線・大師前駅から入り、初詣のあとは名物の草だんごなど頬張りながら、散歩がてらに西新井大師西駅まで徒歩を楽しむのがおすすめかも。

■大國魂神社(東京都)
府中駅→<大國魂神社>→府中本町駅・府中競馬正門前駅

武蔵の国の守り神、大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)を祀る神社。縁結び、厄除けのご利益があり、創建は約1900年前にさかのぼる。春の「くらやみ祭」が有名だが、初詣にも沢山の参拝客が訪れる。

京王線・府中駅を出ると西側には南北に続くけやき並木の表参道がある。これは「馬場大門のケヤキ並木」といって国の天然記念物。前九年の役を平定した源頼義・義家が寄進した苗木がきっかけという言い伝えがある。参拝を終えたあとは、西側に折れて進めば武蔵野線・南武線の府中本町駅。東側に折れて住宅街を抜けると京王線・府中競馬正門前駅にもアクセスできる。

参拝ついでに廃線跡も楽しめる

■成田山新勝寺(千葉県)

弘法大師自らが彫ったとされる不動明王が御本尊として祀られており、家内安全・商売繁昌・交通安全などあらゆるご利益がある。JRでは関東近県から「成田山初詣列車」として臨時列車が最寄りの成田駅へと運行される。京成電鉄も「成田山開運号」として、歌舞伎の隈取をかたどったヘッドマーク付きのAE型シティライナーが運行されるなど、臨時ダイヤでの運行となる。

成田山新勝寺への初詣客輸送に鉄道会社が力を入れるのは今に始まったわけではなく、明治時代にこの地に鉄道が敷設されてから各鉄道会社が熾烈なサービス合戦を繰り広げてきたという経緯がある。駅から大本堂に至る途中には「電車道」という通りがある。これは1944年に廃止された路面電車、成宗電気軌道の名残りで、レンガ造りのトンネル跡などが残っているので参拝帰りに訪れておきたい。

次ページ駅と駅の間は短いが、参拝が大変かも…
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