2017年の鉄道業界は何が起きるのか? 観光列車人気は続き、廃止した路線の復活も
金沢開業による北陸新幹線ブームに沸いた2015年、北海道新幹線開業で本州と北の大地が初めて新幹線で結ばれた2016年と比べると、2017年は新幹線の話題には欠けるかもしれない。しかし、2017年はJR発足30周年という節目の年でもある。鉄道業界全体を見渡すと、話題は目白押しだ。
最大の話題はJR東日本とJR西日本が相次いで豪華寝台列車を投入することだろう。JR東日本の「トランスイート四季島」は5月から運転開始する。内装は現在も鋭意制作中だが、車体はすでに完成しており、運行エリアである東日本や北海道の各地を試験走行している。昼間はシャンパンゴールドの車体が軽やかな印象を与えるが、夜になると「森の木々」を思わせる窓の明かりが暗闇の中に浮かび上がる。
「新たな長距離列車」の開発も
JR西日本は「トワイライトエクスプレス瑞風」を6月から運行開始する。10両編成がそろった姿はまだ公式に披露されていないが、完成した車両はやはり西日本エリアの各地を試験走行している。外観の配色は先代のトワイライトエクスプレスと同様にグリーンが用いられる予定だが、現在は黒いラッピングで覆われ、色を確認することはできない。
JR九州の「ななつ星 in 九州」と合わせると、日本国内に3つの豪華寝台列車が“競演”することになる。ななつ星は運行開始から3年たった今も予約状況が20倍を超える人気ぶりだし、予約を開始した四季島もななつ星に負けない高倍率だ。世間の関心も高く沿線自治体にとってはPR効果抜群だが、「料金が高くて乗れない」と嘆く人も多いだろう。
そんな声を受けて、JR西日本は、「瑞風よりも気軽に利用できる新たな長距離列車」(来島達夫社長)の開発を表明している。まだ検討をスタートさせたばかりの段階で、いつ、どこを走るかは未知数だが、その列車の概要が2017年に発表されれば、今年のビッグニュースとなることは間違いない。
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