新大阪-放出間に建設中「新路線」の現状は?

「おおさか東線」が2019年春に開業

新大阪が起点のおおさか東線。30パーミルの勾配と半径225mの急曲線でJR京都線を越える

おおさか東線は、吹田・東大阪・八尾市を含む大阪市東部の地域に、新大阪(大阪市淀川区)と久宝寺(八尾市)を結ぶ南北20.3キロメートルに計画された路線である。JR西日本が保有した片町線貨物支線である通称「城東貨物線」(吹田~八尾間)の施設や用地を活用しながら複線電化し、旅客営業路線とするものだ。

放出~久宝寺間9.2キロメートルは2008年3月に開業、新大阪~放出間11.1キロメートルが工事中である。すでに開業した放出~久宝寺間は「南区間」、工事中の新大阪~放出間は「北区間」と区別されている。

新路線設立までの長い道のり

大阪は周辺に向けた放射路線が多く、それらを郊外で結ぶ環状路線が少ない。そして新幹線駅である新大阪は大阪駅と別に存在し、JR在来線は東海道線(JR京都線)しか通じていないため、各方面からのアクセスに複数回の乗り換えを要することが珍しくない。そこで、その不便を改善し広域鉄道ネットワークを作るため、関西線(大和路線)久宝寺から新大阪に直結する路線として考えられた。

新大阪側から阪急京都線・千里線、地下鉄谷町線、京阪本線、地下鉄今里筋線の順に交差し、鴫野~放出間は片町線(学研都市線)と並んだ後、既開業の南区間では地下鉄中央線、近鉄奈良線、近鉄大阪線と交差する。現状の南区間では、線内運転の各駅停車のほか、大和路線奈良から学研都市線経由JR東西線の大阪都心方面とを結ぶ「直通快速」も運行されている。

ここに至る経緯は長い。都市交通審議会での答申は1960年代まで遡り、1981年に国鉄が複線化・電化の認可を受け、これをJR西日本が継承。さらに1989年の運輸政策審議会答申に改めて盛り込まれ、1996年に国の幹線鉄道等活性化補助事業となったことで事業が本格化した。同年に建設主体として大阪府と沿線4市、JR西日本が出資する第三セクターの大阪外環状鉄道株式会社が設立され、同社が第三種鉄道事業者となり、JR西日本とJR貨物が第二種鉄道事業者として運営主体となっている。

城東貨物線はかつて、吹田操車場~八尾(竜華操車場)および平野(百済貨物駅)間を結ぶ役割であった。国鉄貨物輸送の変化により竜華は廃止され、吹田と百済は現在、廃止された梅田貨物駅の移転先として貨物ターミナルに変貌した。この城東貨物線をおおさか東線とするため、2008年に開業した南区間の八尾方は実質的に関西線との合流点であった久宝寺(かつて竜華は当駅に隣接)までを複線電化、旅客化した。

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