絶好調スバルの「超効率工場」が直面する課題

納車まで3カ月待ち、チョコット能増にも限界

群馬製作所・本工場で生産されている新型「インプレッサ」(写真:富士重工業)

スバルの車が「売れすぎ」でいまだ足りない。今秋発売した小型車の雄、新型「インプレッサ」も日米で出足は好調。日本ではスバル車にとって13年ぶりの日本カー・オブ・ザ・イヤーも受賞するなど、明るい話題には事欠かない。

富士重工業の主力市場・米国では、今年1~11月の販売台数が55万台を超え、年間での過去最高更新も射程に入ってきた。しかし国内や米国の工場をフル稼働させても、世界各地で顧客が納車まで約3カ月も待たされている。2012年度以降は国内工場の稼働率が100%を超えたままだ。

国内大型投資で「足りない」を解消へ

そこで富士重は、2015年度から2020年度までに約650億円を投じ、老朽化した塗装工場の建て替えや、組み立て工場内のラインの延伸、生産設備の更新や工場レイアウトの改善などを進める。

これにより、2018年度には国内での生産能力が約69.6万台(2016年末比8%増)にまで増える。米国工場も含めると、フル操業で年産127.6万台と同1割弱増強されることになる。

だがこれまで富士重は能力増強に関し慎重な姿勢を崩さなかった。大掛かりな設備投資はなるべく避け、あえて毎年数万台ずつだけ生産能力を増強する「チョコット能増」を繰り返してきた。

設備投資をしすぎると、販売が低迷した際、工場稼働率を維持するために余剰在庫を安売りでさばくことになってしまう。すると中古車価格も下がっていく。ブランド価値を毀損させるこの悪循環に陥る事態は避けたかった。2000年代の業績低迷の記憶がよみがえる。設備過剰が招いた危機の二の舞いになりたくないという思いは強い。

チョコット能増を続けた結果、残業や休日出勤を除いた国内工場の生産能力は2012年3月時点で年間52.2万台だったが、2016年末には同64.2万台に達した。1年ごとに平均で2~3万台ずつ増強したことになる。

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